日本語教育能力検定試験V問題 12 会話カイワ 【はま先生解説センセイカイセツ のんびり日本語教師ニホンゴキョウシ
  トイ1 ハナ話題ワダイカンする情報ジョウホウ共有キョウユウ有無ウム言語形式ゲンゴケイシキ反映ハンエイされる。  選択肢1
    状況ジョウキョウ共有キョウユウされている場合バアイ言語形式ゲンゴケイシキとして適当テキトウなものをエラ 正解セイカイ  文脈指示のア系は記憶の中にある過去の出来事を指すので記憶指示と呼ばれています。
話し手と聞き手がその会議に参加していたので、共有の記憶を指して「あの会議」と言ってます。これが答え。
1 「あの会議カイギ品川シナガワだったよね」のアケイ指示詞シジシ 話し手も聞き手も知っていることにはア系指示詞(あれ、あの、あそこ、あちら…)を使います。
2 ワタシ来週ライシュウまた出張シュッチョウなんだ」の一人称イチニンショウ代名詞ダイメイシ 話し手も聞き手も知っているということは情報が共有されているということです。
3 「ああ、すっかりアキだな」の詠嘆エイタン終助詞シュウジョシ  この言い方だと、来週出張に行くことは「私」しか知らないです。
4 「お花見ハナミダレといったの?」の疑問詞ギモンシ終助詞シュウジョシ  選択肢3
 詠嘆の終助詞と言ってるので、これは一人で感傷的になってるものだと思います。情報共有ではありません。
「ああ、すっかり秋だ」この「な」は深く感じた時に使う「な」です。
 選択肢4
 知らないから疑問の「の」を使ってます。自分は知らない、相手は知ってる。情報共有はされていません。
 したがって答えは1です。
終助詞 「の」
自他に疑問・質問・警告・強い命令・弱い断定・詠嘆・感動の意を添える。※多く女性が使用する。
あなたが私の夫を殺したの?
  トイ2 ハナは、本来ホンライ以外イガイ参加者サンカシャ存在ソンザイによってハナカタえることがある。  選択肢1
    このレイとして適当テキトウなものをエラ       正解セイカイ  住民説明会の本来の聞き手は住民、その住民に対して方言を話してます。アコモデーション理論のコンバージェンスです。
 本来の聞き手以外の存在が登場しないので、この選択肢は間違い。
1 地方チホウ役場ヤクバ住民説明会ジュウミンセツメイカイで、職員ショクイン住民ジュウミン関係カンケイヅクりを意識イシキして、方言ホウゲンでリラックス  選択肢2
して雑談ザツダンをする。  本来の聞き手はインタビューしている人ですが、インタビューしている人ではなく地元の聴衆を意識して方言を使っています。
2 地方選挙チホウセンキョのインタビューで、候補者コウホシャ地元ジモト聴衆チョウシュウ意識イシキして共通語キョウツウゴによる質問シツモン  選択肢3
地方方言チホウホウゲンコタえる  運動会の開会式で校長先生が話してます。校長先生は「保護者と地域住民に向かって」話し方を変えました。
3 小学校ショウガッコウ運動会ウンドウカイ開会カイカイシキで、校長先生コウチョウセンセイ保護者ホゴシャ住民ジュウミンかってアラタまった ですから本来の聞き手も「保護者と地域住民」です。下線部Bの言ってることとは違います。
口調クチョウ挨拶アイサツをする  選択肢4
4 就職シュウショク集団面接シュウダンメンセツで、就職活動中シュウショクカツドウチュウ学生ガクセイ好印象コウインショウアタえることを目的モクテキに、面接官メンセツカン  本来の聞き手は「面接官」で、面接官に向かって敬語を話してます。本来の聞き手以外の存在が登場しないので、この選択肢は間違い。
かって敬語ケイゴコタえする。  答えは2です。
N3文法「〜って」の説明 引用インヨウ伝聞デンブン        
  トイ3 文末ブンマツ表現ヒョウゲン」の「って」にカンして用法ヨウホウコトなるのもをエラ   正解セイカイ  選択肢1 普通形+って            
 「晴れるって言ってたよ」「晴れると言ってたよ」 田中さん、風邪で今日は休むって言ってたよ。        
1 X:天気予報テンキヨホウナンていってる?  「言う」が後節するので、この「って(と)」は引用です。 田中さん、風邪で今日は休む言ってたよ。、        
Y:予報ヨホウわって、れるって。  選択肢2 木村さん離婚したんだって。=離婚リコンしたいた      
 「先に帰るって言ってたよ」だから引用の「って」 キムさんのお父さんは銀行員だって言ってたよ。 銀行員ギンコウインいた    
2 X:あれ、田中タナカさんがいないね?  選択肢3 明日の試合は中止だって。=中止チュウシいた        
Y:おナカイタいから、サキカエるって。  「ないよ、ないって言ってたよ」と言えないから、引用の「って」じゃないことは分かります。 明日は寒いって聞いたよ。コートを着たほうがいいよ。      
 この「って」は相手の言葉に対する反問、主張を表すものです。 このケーキ、有名なんだって。おいしそう。        
3 X:えー、あなたナニ文句モンクないの? 「ないよ、ないってっているだろ」=自分ジブン言葉コトバ伝聞デンブンではない お兄ちゃん、お母さんが荷物運ぶの手伝ってって。      
Y:ないよ、ないって。  選択肢4                
 「再来月に来るんだって言ってたよ」だから引用の「って」 話し言葉。              
4 X:彼女カノジョ来月ライゲツるんだっけ?  したがって答えは3です。 「〜と言っている」「〜と聞いた」の「と」の部分が、会話で「って」になった。  
Y:来月ライゲツじゃなくて、再来月サライゲツるんだって。 「って」で終わることもある。「言っている」「聞いた」の部分が省略されている。  
言った言葉に直接接続できる。          
  トイ4 優先ユウセン応答オウトウレイとして適当テキトウなものをえらべ     正解セイカイ  1 「問い」に対する優先応答は「返答」、非優先応答は無視 問4 非優先応答            
 2 「申し出」に対する優先応答は「受諾」、非優先応答は「拒否」  非優先応答の前に、隣接ペアについてまず知ってないと。      
1 いー返答ヘントウ  3 「苦情」に対する優先応答は「謝罪」、「弁明」は非優先応答  隣接ペアとは、挨拶に対する挨拶、問いに対する返答、誘いや申し出に対する返答などの
2 モウ受諾ジュダク  4 「要請」に対する優先応答は「許可」、非優先応答は「拒否」 お互いにペアとなっている2つの発話のことです。      
3 苦情クジョウ弁明ベンメイ  したがって答えは3です。 また、隣接ペアの中に別の新たな隣接ペアが入ることを挿入連鎖と言います。  
4 要請ヨウセイ許可キョカ 以下の会話では、隣接ペア@とCの中に、隣接ペアAとBが挿入されています。  
 A:@暇? 遊びにいこう?          
 B:Aバイトないの?          
 A:Bうん、ないよ。          
 B:Cじゃあいこっか。          
 隣接ペアにおいて、相手が産出する可能性がある複数の応答の中で、    
  トイ5 口頭コウトウパフォーマンステスト」を実施ジッシするサイ留意点リュウイテンべよ 正解セイカイ 選択肢1 最も期待される応答のことを優先的応答、        
インタビューであれば説明は不要ですが、ロールプレイなどはタスクの説明が必要になります。 期待にそぐわない応答を非優先的応答と呼びます。      
1 実際ジッサイ場面バメン即興的ソッキョウテキハナせるように、タスクの場面バメン説明セツメイオコナわない 「あなたはディズニーランドのチケットを2枚持っています。クラスメイトと一緒に 例えば依頼に対する受諾が優先的応答で、拒否が非優先的応答です。    
2 学習者ガクシュウシャ緊張感キンチョウカン不安感フアンカンタカめないヨウに、評価方法ヒョウカホウホウツタえない 行きたいです。誘ってください」などと最初にタスクの場面の説明をします。
3 学習者ガクシュウシャのロールプレイがモデル会話カイワドオりに進行シンコウしていることを評価ヒョウカする もしタスクの説明をせずにいきなり、私が誘われたいクラスメイト役になって。
4 実際ジッサイこり場面バメンモトめられる言語運用ゲンゴウンヨウ能力ノウリョクハカるタスクを設定セッテイする 「あ、ディズニーランドのチケットを持っているんですね」とか話を始めても、
その後どのように会話が進んでいくのか想像がつかず、評価方法を事前に設定することができません。
バツ
選択肢2
テストによっては評価方法を伝えない場合もあると思います。
事前にテスト対策をさせず、本当の口頭レベルを測るためです。
「学習者の緊張感や不安感を高めないように」ではありません。
バツ
選択肢3
ロールプレイには選択権(チョイス)があります(日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第5版p247参照)
言うべきことは相手が決めるため、モデル会話通りに進行しない場合もあります。
モデル会話通りを評価するのはロールプレイではなく、モデル会話の暗記テストでしょう。
バツ
選択肢4
そのとおりです。
よって、答えは4
日本語のカジュアル会話は「って」をよく使います。    
「って」には色々な意味・用法があります。      
             
@先生が明日は休み言っていました→先生が明日は休みって言っていました。
A鬼滅の刃というマンガ→鬼滅の刃ってマンガ      
B先生どんな人ですか?→先生ってどんな人ですか?    
「と」「という」「は」は話すとき「って」になりがちです。