日本語教育能力検定試験V問題 11 【第二言語学習における個人差】 【はま先生解説センセイカイセツ のんびり日本語教師ニホンゴキョウシ
  トイ1 動機付ドウキヅけのうち内発的ナイハツテキ動機付ドウキヅけのレイとして適当テキトウなものをエラ   正解セイカイ 選択肢1
「必修科目なので」という理由は、にやらなければならない理由があるので、外発的動機づけです。
1 日本語ニホンゴ必須ヒッス科目カモクなので、単位タンイって大学ダイガク卒業ソツギョウしたい。 選択肢2
2 日本語ニホンゴ日本文化ニホンブンカマナんで、知識チシキやし教養キョウヨウタカめたい 「知識を増やし教養を高めたい」学ぶこと自体が目的なので、内発的動機づけです。
3 日本ニホン大学院ダイガクイン学位ガクイり、イマより待遇タイグウのよい仕事シゴトきたい 選択肢3
4 日本語ニホンゴ科目カモク成績セイセキり、奨学金ショウガクキン応募オウボしたい。 「待遇のよい仕事に就きたい」というに目的があるので、外発的動機づけです。
また、待遇のよい仕事に就くための道具として勉強しているので、道具的動機づけです。
選択肢4
「奨学金に応募したい」というに目的があるので、外発的動機づけです。
また、奨学金に応募するための道具として勉強しているので道具的動機づけです。
動機づけの見分け方
外にニンジンがぶら下がっている→外発的動機づけ
そのものが楽しい→内発的動機づけ
勉強はのし上がるための道具だ→道具的動機づけ
仲間になりたい→統合的動機づけ
  トイ2 動機ドウキづけは学習段階ガクシュウダンカイによって変化ヘンカするといわれ、教師キョウシはそれにオウじたハタラきかけ 問2 動機づけを維持するための指導
    オコナうことが奨励ショウレイされる。学習ガクシュウツヅけるナカで、学習者ガクシュウシャ動機付ドウキヅけを維持イジするために  選択肢1
    有効ユウコウ指導実践シドウジッセンとして不適当フテキトウなものをエラ     正解セイカイ  細かい指摘はやる気をなくさせるかもしれませんので、動機づけの維持にはあまり役立ちません。
 相当メンタルが強い人だったら耐えられるかもしれませんけど。
1 学習者ガクシュウシャ言語ゲンゴアヤマりをヒトヒト指摘シテキし、コマかく説明セツメイしてナオ  選択肢2
2 学習時ガクシュウジのタスクや活動カツドウ挑戦的チョウセンテキにし、学習者ガクシュウシャ意欲イヨクタカめる。  「意欲を高める」って書いてるので、これは動機づけの維持に直結します。
3 肯定的コウテイテキ自己ジコイメージをたせ、明確メイカク学習目標ガクシュウモクヒョウ設定セッテイする  選択肢3
4 学習者ガクシュウシャ自信ジシンウシナわないよう、めたりハゲましたりする。  目標があると今何をすればいいのか明確になるので、動機づけの維持に役立ちます。
 選択肢4
 情意面への配慮ですね。これも動機づけの維持に役立ちます。
 したがって答えは1です。
  トイ3 学習者ガクシュウシャのビリーフにカンする記述キジュツとして不適当フテキトウなものをエラ   正解セイカイ ビリーフとは信念。言語習得に関してその人が信じていること。
例えば「漢字は書いて覚えるんだ」というのがビリーフです。
1 学習者ガクシュウシャのビリーフの変容ヘンヨウ学習ガクシュウスキルの習熟度シュウジュクドは、密接ミッセツ関係カンケイがある。
2 母語ボゴ教育方針キョウイクホウシンや、教育キョウイクシステムが学習方法ガクシュウホウホウタイするコノみに影響エイキョウする。 選択肢1
3 学習者ガクシュウシャのビリーフは、授業活動ジュギョウカツドウ影響エイキョウけずに独立ドクリツして形成ケイセイされる 例えば初級の頃は漢字は書いて覚えるものだと思っていたけれど、
4 目標モクヒョウ言語ゲンゴ学習ガクシュウタイするカンガカタ学習ガクシュウ行動コウドウ合致ガッチしないことがある。 上級になったらあまり漢字を書かなくなるど、
学習スキルの習熟度によって、ビリーフが変容することはあります。
選択肢2
宿題が当たり前の国で育った人は宿題を欲しますが、
宿題がない国で育った人は宿題を欲しません。
「母国の教育方針」は、宿題が欲しい欲しくないなど「学習方法の好みに影響」します。
選択肢3
ロールプレイばっかりさせられてうんざりする人もいるし、
逆にロールプレイ大好き人間もいるし。授業内容は学習者のビリーフを形成する要素です。
選択肢4
「ネイティブと話すのが一番の近道だ」というビリーフを持っていても、
近くにネイティブがいないと実現することができません。ビリーフと行動は一致しないこともあります。
  トイ4 言語適正ゲンゴテキセイには個人差コジンサもある。言語適正ゲンゴテキセイカンする適当テキトウ記述キジュツエラ 正解セイカイ 問4の解き方
言語適性とは、外国語を勉強する適性があるかどうかです。 MLAT(言語習得適性テスト/現代言語適正テスト)        
1 外交的ガイコウテキ特性トクセイ学習者ガクシュウシャ内向的ナイコウテキ学習者ガクシュウシャよりも最終的サイシュウテキ言語能力ゲンゴノウリョクタカくなる 選択肢1                  
2 オトのまとまりとして認識ニンシキ再生サイセイする能力ノウリョク習得シュウトク初期段階ショキダンカイ有利ユウリハタラ 外国語でのコミュニケーション能力は「外向的な特性を持つ学習者」の方が上達します。 第二次世界大戦時の米英国内では、短期間に外国語を習得できる人材を      
3 相手アイテ状況ジョウキョウわせて言葉選コトバエラびができる能力ノウリョク社会シャカイ文化ブンカ影響エイキョウける しかし、言語能力はコミュニケーション能力に限りません。 軍の要員として起用する必要性から、言語適性テストの開発が推進された。その延長として、  
4 指導方法シドウホウホウ学習者ガクシュウシャ特性トクセイわないにかかわらず、その効果コウカオナじである。 例えば、外国語の本を読む能力は内向的な学習者の方が高いかもしれません。 キャロルらによって戦後開発されたのが現代言語適性テスト        
バツ (MLAT:Modern Language AptitudeTest)である。        
選択肢2 このテストは半年から1年程度の短期間で外国語を習得する能力を予測する目的で作られたそうです。
「nekogasukidemoinugasukidemominnatomodachidayo」という音を                  
そのまま聞いた場合、なんだかよくわかりません。 このテストでは              
この音を語のまとまりとして認識し再生した場合は @音声符号化能力               
「nekoga sukidemo inuga sukidemo minna tomodachi dayo」のようになります。 音声と文字を一致させる力。            
単語が認識しやすいですね。 異なる音を識別して文字に表せる能力です。リスニング力のことですね。    
言葉をほとんど知らない習得の初期段階で有利に働きます。 A文法に対する敏感さ             
マル 微妙な文法の違いに気付くことのできる文法的感度のことです。      
選択肢3 主語・動詞・目的語などの文法構造を見抜くことですね。        
この前ツイッターを見ていたら、「Bさんは正直ウザいタイプ」と B暗記学習能力               
つぶやいたAさんがプチ炎上していました。AさんとBさんは実際に会ったことはないようです。 丸暗記する能力のことで、主に短期記憶のことです。        
A先生にとって「ウザい」という言葉は会ったことがない人に使っても問題ないという認識でした 数十秒で提示された単語を覚えて、            
一方で、B先生やそのフォロワーの方にとっては「ウザい」という言葉選びは、 その後正しい単語を選ぶなどのテストで測定されるようです。      
会ったことがない人に対しては不適切という認識でした。 C帰納的学習能力 帰納的:いろんな例から原則を見つける        
このように相手や状況に合わせて言葉選びをする能力は、 具体的な例から一般的な文法法則を見つける帰納的学習能力のことです。    
育ってきた環境や社会文化の影響を受けます。 意味と言語形式との関連パターンを見つけること        
選択肢の言っていることは正しいです。                  
ですが社会的に適切な言葉の使用は語用論の問題です。 の四つが言語適性を構成するものとして設定されている。        
外国語を勉強する言語適性とは関係ありません。
選択肢4
目からインプットに適性がある人と、耳からのインプットに適性がある人がいます。
そのため、指導方法は人によって効果が異なります。
よって、答えは2
  トイ5 学習者ガクシュウシャオートノミーを育成イクセイするための教師キョウシ行動コウドウとして適当テキトウなものをエラ 正解セイカイ 自律学習(学習者オートノミー)          
自律学習とは、自分を律する学習。         
1 教師キョウシ学習者ガクシュウシャ目標モクヒョウき、それを達成タッセイするための学習行動ガクシュウコウドウ自分ジブンカンガえさせる 学習者が自分自身の学習全体に責任を持ちます。      
2 教師キョウシ自身ジシン教育経験キョウイクケイケンモトづき、学習者ガクシュウシャにとって最適サイテキだとオモ方法ホウホウ学習ガクシュウさせる 学習者が自分の学習を自ら管理して進めていく学習方法のことです。    
3 教師キョウシ学習者ガクシュウシャ自分ジブン学習ガクシュウススめられるよう独習用ドクシュウヨウのテキストをめ、見守ミマモる。 自律学習は一人で計画して一人で学習することだと      
4 教師キョウシ学習者ガクシュウシャノゾ学習内容ガクシュウナイヨウ方法ホウホウ確認カクニンし、その希望キボウ沿ったカタチ授業ジュギョウオコナ よく間違えられますので注意してください。        
正しくは必要な場面で教師や教材、教育機関などの周囲のリソースを利用して  
学習を進めていくことです。          
教師は学習者の学習に積極的に介入することなく、      
ファシリテーター、カウンセラーとして振る舞います。      
 選択肢1
 これが自律学習。
 教師は支えるだけ。学習者自身に考えさせます。
 選択肢2
 教師の考え方が存分に影響しているやり方なので、これは完全に「指導」です。
 これは自律学習じゃない。
 選択肢3
 教師がテキストを決めるってのが自律学習の考え方に反します。
 何を勉強するかは、学習者のニーズにもとづき教師と相談して決めます。
 選択肢4
 教師が授業をするのは自律学習ではありません。自律学習は教師はあくまで支えるだけ。
 したがって答えは1です。