日本語教育能力検定試験V問題 7 漢字学習カンジガクシュウ 【はま先生解説センセイカイセツ 毎日マイニチのんびり日本語ニホンゴ教師キョウシ
  トイ1 漢字カンジ授業ジュギョウにおける指導上シドウジョウ留意点リュウイテンとして適当テキトウなものをエラ   不正解フセイカイ 問1の解き方【漢字の授業】
選択肢1
1 漢字カンジ筆順ヒツジュンは、資料シリョウ配布ハイフけて、実際ジッサイ教師キョウシ板書バンショシメす。 実際に教師が板書で示しても忘れてしまいます。
2 漢字カンジ導入ドウニュウジュンは、学習者ガクシュウシャのニーズよりも字形ジケイ単純タンジュンさを優先ユウセンする 資料の配布があれば忘れた時に見ることができます。
3 漢字カンジ字形ジケイ板書バンショやカードでシメし、みは音声オンセイかせる 変です。
4 オク仮名ガナのある漢字カンジは、オク仮名ガナ一緒イッショかせる。 選択肢2
ニーズが一番です。
全ての試験問題に共通することですが、学習者のニーズはいかなるときも最優先です!
使わない漢字よりも使う漢字を優先しましょう。
変です。
選択肢3
読みを音声で聞かせても忘れてしまいます。「読み」も板書やカードが
あればメモすることができます。
変です。
選択肢4
初級の漢字で多い間違いは「好き」を「好」と書いてしまうこと。
送り仮名とセットで覚えるために、送り仮名と一緒に書いたほうがいいです。
よって、答えは4
漢字文化圏カンジブンカケン 中国チュウゴク 日本ニホン ベトナムは廃止ハイシ 韓国カンコクはカッコきで衰退中スイタイチュウ
  トイ2 漢字系カンジケイ学習者ガクシュウシャ学習上ガクシュウジョウ問題モンダイてはまらないものをエラ   不正解フセイカイ 問2の解き方【漢字系学習者の問題点】 現在まで漢字を日常的に使用している国家は、日本だけである。    
漢字系学習者の代表格である中国人学習者をイメージしながら各選択肢をチェックします。 ベトナムでは識字率向上の観点から、義務教育で完全に漢字教育を廃止した。  
1 漢字カンジから文章ブンショウ意味イミ推測スイソクできるので、文法ブンポウ学習ガクシュウがおろそかになりやすい。 選択肢1 朝鮮半島では、北朝鮮は公式に漢字を廃止して、国民には漢文教育のみ行っている。  
2 母語ボゴ漢字知識カンジチシキタヨるため、間違マチガった意味イミ解釈カイシャクしてしまう。 確かに中国人学習者は漢字から文章の意味を推測することができます。 韓国では独立と同時にハングル専用法が制定され、漢字はカッコ書きでの扱いとなった。
3 個々ココ漢字カンジ記号キゴウのように記憶キオクし、熟語ジュクゴ理解リカイにつなげるのがムズカしい つまり語彙だけでなんとかなったりするので、文法の学習がおろそかになりやすいです。 さらに漢字教育は重要視されずに、1970年代以降必修教科でなくなったことから、  
4 母語ボゴ日本語ニホンゴ些細ササイ字形ジケイジョウチガいがあるため、サイ正確セイカクさにける 漢字を読めない世代が増加している          
選択肢2
例えば「大家」は中国語では「みなさん」という意味です。
母語の漢字知識に頼るため、「大家」を「みなさん」という
間違った意味に解釈してしまうおそれがあります。
選択肢3
個々の漢字を記号のように記憶するのは、漢字の意味が分かっていないからです。
例えば、「終」と「電」の漢字の意味を知っていれば、
「終電」という熟語の意味を推測できるので、熟語の理解につなげやすいです。
非漢字圏の人は漢字をパーツで捉える傾向があります
私たちがハングルやアラビア語「القرفالقرف」などを見るとなんじゃこりゃって思うあの感覚ときっと同じ。
選択肢3の記述は非漢字系学習者の特徴です。
×
選択肢4
例えば、日本語の漢字「毎」は、中国語では「每」です。
些細な字形上の違いがあるため、書く際に正確さに欠けます。
中国人学習者は 「毎」 を 「每」 と書きがちです。
よって、答えは3
  トイ3 字形ジケイ同一ドウイツかどうか認識ニンシキする練習レンシュウとして適当テキトウなものをヒトエラ 不正解フセイカイ 問3の解き方【字形が同一かどうか識別する練習】
選択肢1
1 これは象形文字の元の絵と漢字の組み合わせを選ぶ問題ですね。
2 これは「字形が同一かどうか識別する練習」ではなく
3 「絵と字形が同一か識別する練習」です。
4  レイのようにコトなる漢字カンジエラびなし     選択肢2
    明らかに字形が同一ではありません。
レイ     カク     これは部首の組み合わせを選ぶ練習です。
トイ     カイ     選択肢3
明らかに字形が同一ではありません。
これは部首を組み合わせて漢字を書く練習です。
選択肢4
「名」「名」「名」…同一の字形がたくさんあります!
「各」違う字形もあります!
たくさんの同一の字形の中から違う字形を選ぶ問題です。
「字形が同一どうか識別する練習」になります。
よって、答えは4
  トイ4 漢字カンジ品詞ヒンシについての知識チシキハカ問題モンダイとして適当テキトウなものをエラ 正解セイカイ 問4の解き方【漢字の品詞についての知識を測る問題】
漢字の品詞について知識を測る問題とは何だろう。
1 レイ 開始カイシ 初期ショキ 最初サイショ 原始ゲンシ
トイ 強行キョウコウ 強運キョウウン 強者キョウシャ 強度キョウド そもそも漢字の品詞は何があるだろう。具体例を考えます。
名詞の漢字「人」
イ形容詞の漢字「小さい」「高い」「新しい」…いずれも送り仮名が必要。
ナ形容詞の漢字「便利」「上手」「綺麗」
動詞の漢字「勉強する」「開始する」…いずれも3グループの動詞。○○する。
選択肢1
(例)と(問)の品詞を見ると、全て名詞に見えます。
ですが(例)の「開始」が削除されているので、「開始」と「初期」「最初」「原始」の違いを考えます。
「開始」は「する」を付けて動詞にできます。
他はできません。
(問)を見ると、「強行」は「する」を付けて動詞にできます。
他はできません。
これは「動詞」にできる漢字を探す問題だとわかります。「動詞」は品詞
漢字の品詞についての知識を測る問題です。
選択肢2
(例)「広」「庁」「店」と「原」の違いは品詞ですか?
いえ、部首です。まだれ「广」とがんだれ「厂」
漢字の部首についての知識を測る問題です。
選択肢3
(例)は全て名詞です。
品詞は同じなので品詞で区別できない。つまり品詞についての知識を測る問題ではありません。
「日常」が「非日常」
「人気」が「不人気」
漢字熟語が否定されています。
漢字熟語の否定についての知識を測る問題です。
選択肢4
(例)は「安い」「暗い」「短い」「新しい」「近い」全てイ形容詞です。
品詞は同じなので品詞で区別できない。つまり品詞についての知識を測る問題ではありません。
「安」と「暗」
読みがどちらも「アン」
漢字の読みについての知識を測る問題です。
よって、答えは1
  トイ5 形成的ケイセイテキ評価ヒョウカカンする記述キジュツエラ       正解セイカイ 評価は時期によって @診断的評価 A形成的評価 B統括的評価に分けられます。 診断的評価:コース前に実施する          
診断的評価 コースの開始前・開始時 例:レベルチェックテスト、プレースメントテスト(クラス分け)    
1 コース開始時カイシジのテスト結果ケッカモトに、学習者ガクシュウシャ適当テキトウなレベルのクラスにける 形成的評価 コースの開始後・コースの期間中 コース開始時のテスト結果を基に、学習者を適当なレベルのクラスに分ける  
2 コース期間中キカンチュウのテスト結果ケッカモトに、指導シドウ有効性ユウコウセイ検討ケントウし、指導方法シドウホウホウ改善カイゼンする 統括的評価 コースの終了時・コースの終了後                
3 コース終了時シュウリョウジのテスト結果ケッカモトに、学習者ガクシュウシャ得点順トクテンジュンナラべ、成績セイセキける。 形成的評価とは、コース期間中に行う評価です。 形成的評価:コース開始後学習の振興に応じて実施する      
4 コース終了時シュウリョウジのテスト結果ケッカモトに、コースのシラバスや使用シヨウした教材キョウザイ評価ヒョウカする 選択肢1 例:小テスト、単元ごとの確認テスト        
コース開始時の評価は診断的評価(事前的評価)です。 コース期間中のテスト結果を基に、指導の有効性を検討水、指導方法を改善する  
選択肢2                
コース期間中の評価は形成的評価です。 統括的評価:学期終了、コース終了時に実施する      
選択肢3 例:中間テスト、期末テスト          
コース終了時の評価は、統括的評価です。 コース終了時のテスト結果を基に、学習者を得点順に並べ、成績を付ける。  
選択肢4 コース終了時のテスト結果を基に、コースのシラバスや使用した教材を評価する  
コースの終了後の評価は、統括的評価です。                
よって、答えは2 外材的評価:学習期間外で任意の時期に実施する      
例:日本語能力試験、日本留学試験          
形成的評価とは、コース期間中のテスト結果を基に、指導の有効性を検討し、指導方法を改善するための評価
形成的評価は、コースの途中で指導や学習を改善する目的で行う評価
形成的評価は、 コースの途中段階で行い、その後の指導に役立てることを目的とする評価
性格セイカクによる評価ヒョウカ
選別評価…候補者の選ぶ(入学試験)        
測定評価…教育の達成度を見る(中間テスト)        
認定評価…言語能力一般を測る(OPI/日本語能力試験)      
成績セイセキ評価ヒョウカ
相対評価:              
同一集団内での評価・位置づけを行う評価        
絶対評価:              
学習目標の達成度を一定の評価基準に照らして判断する評価      
到達度評価:            
絶対評価の一部で、到達目標を基準とする評価        
個人内評価:            
個人の特性を評価することを目標に、進歩の有無や得意不得意を捉える評価