日本語教育能力検定試験V問題 5 生活者セイカツシャとしての外国人ガイコクジン 【はま先生解説センセイカイセツ 毎日のんびり日本語教師
  トイ1 文化庁ブンカチョウの「生活者セイカツシャとしての外国人ガイコクジン」にタイする日本語ニホンゴ教育キョウイク標準的ヒョウジュンテキなカリキュラムアン 選択肢1
    参考サンコウ授業ジュギョウオコナう。これにカンする記述キジュツとしてモット適当テキトウなものをエラ 正解セイカイ 日本には方言があり、居住地域によって使われている言葉が違います。
標準化したカリキュラムだと共通語しか教えられないので不便です。地域の実情に合わせるべき。
1 在住ザイジュウ外国人ガイコクジン居住キョジュウ地域チイキにより日本語ニホンゴ教育キョウイク格差カクサショウじないよう、オシえるべき内容ナイヨウ 明らかに変。
標準化ヒョウジュンカしたカリキュラムである。 選択肢2
『生活者としての外国人』は生活するための日本語を学びたいはずです。
2 在住ザイジュウ外国人ガイコクジン日本ニホン生活セイカツするうえで必要ヒツヨウ文法事項ブンポウジコウ網羅的モウラテキ整理セイリした 文法事項を網羅はニーズが違います。文法事項を網羅したいのは『留学生としての外国人』等でしょう。
カリキュラムである 明らかに変。
選択肢3
3 在住外国人ザイジュウガイコクジン地域社会チイキシャカイ共生キョウセイするために必要ヒツヨウ課題カダイ遂行能力スイコウノウリョクを6段階ダンカイ それっぽいことが書かれているので、知らないとこの選択肢を消去するのは
シメしたカリキュラムである 難しかったかもしれません。これは違います。
なお
4 在住外国人ザイジュウガイコクジン生活基盤セイカツキバン形成ケイセイするために必要ヒツヨウ不可欠フカケツ生活上セイカツジョウ行為コウイ事例ジレイ 「必要な課題遂行能力を6段階で示した」といえばJFスタンダードです。。
まとめたカリキュラムである JFスタンダードはカリキュラムを考えるための枠組みであって、カリキュラムではありません。
また、「在住外国人が地域社会で共生するため」という限定もありません。
選択肢4
『生活者としての外国人』に対する日本語教育の標準的なカリキュラム案とは、
在住外国人が生活基盤を形成するために必要不可欠な生活上の行為の事例をまとめたカリキュラムです。
「「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリキュラム案について」等 
文化審議会国語分科会では「生活者としての外国人」に対する日本語教育の目的・目標を次
のように設定しています。
  トイ2 「カリキュラムアン」を参考サンコウ作成サクセイしたモジュールガタ教材キョウザイ。をれる利点リテンとして モジュール型教材とは、1回完結型の教材のことです。
    適当テキトウなものをエラ         正解セイカイ 『みんなの日本語』のように順番通りに進める必要はありません。
必要なところだけ使うことができます。継続して教室へ通うことが難しい学習者に対応できます。
1 カク単独タンドク完結カンケツしている教材キョウザイであり、継続ケイゾクして教室キョウシツカヨうことがムズカしい
学習者ガクシュウシャにも対応タイオウができる 「みんなの教材サイト」での
「日本語を楽しもう!」
2 発音練習ハツオンレンシュウ映像エイゾウ教材キョウザイ参考資料サンコウシリョウなどがデジタルされた教材キョウザイである、 「日本語で会議!?」
提示テイジする内容ナイヨウ容易ヨウイ検索ケンサクできる 「どうやって伝えよう?」
「『場にあった文章』に挑戦!」
3 現実ゲンジツ社会シャカイ実際ジッサイ使ツカわれているモノアツめた教材キョウザイであり、教室内キョウシツナイでも というトピックがあります。
真正シンセイセイタカいインプットをアタえることができる 順番に進める必要はなく、それぞれ必要なトピックだけを取り出して使用可能です。
こういう教材のことをモジュール型教材といいます。
4 文法説明ブンポウセツメイ練習レンシュウ問題モンダイなどがある文法ブンポウ中心型チュウシンガタ教材キョウザイであり、楽手者ガクシュシャ
自立的ジリツテキ学習ガクシュウすることができる。
  トイ3 目標モクヒョウ達成タッセイするために「STEP2」でオコナ活動カツドウオナ趣旨シュシ活動カツドウとして   選択肢1
    適当テキトウなものをエラ         正解セイカイ 資料を見てみると、STEP1で「話し合い」、STEP2で具体的な活動をしていることがわかります。
選択肢1は「話し合い」なので、STEP1の内容です。
1 地震ジシンについてっていることや、自分ジブン経験ケイケン教室内キョウシツナイハナう。 選択肢2
2 周辺シュウヘン避難場所ヒナンバショ調シラべ、自宅ジタクから避難経路ヒナンケイロ地図チズ 自宅からの非難経路を地図に書き込んでおけば、実際に地震が起きた際に、
3 起震車キシンシャ自身ジシンれを実際ジッサイ体験タイケンし、感想文カンソウブンく。 どこに避難すればいいかわかり、適切な行動がとれるようになります。
4 災害サイガイ伝言板デンゴンバン使ツカわれる漢字カンジカタ調シラべ、オシ 正しいです。
選択肢3
感想文を書いても、実際に適切な行動がとれるようにはなりません。
選択肢4
「漢字の読み方を調べ、教え合う」のは、漢字を覚えるのが目標です。目標が違います。
そもそも「初中級」の学習者が、地震の際に「災害伝言板」を使うとは思えません(私も使ったことがありませんが)。
災害伝言板で使われる漢字が読めるようになっても、地震が起きた際に適切な行動がとれるようにはならないでしょう。
よって、答えは2
  トイ4 「ステップ3」の活動カツドウカンしてここでは、スキャニングをオコナうことにした   選択肢1 聴解や読解のスキルにスキャニングとスキミングがあります。      
    その活動カツドウとしてモット適当テキトウなものをエラ     不正解フセイカイ これはディクトグロスに似ています。 例えば読解では、スキャニングもスキミングも、速読の手法として知られています。    
ディクトグロスは                  
1 日本語ニホンゴ不足フソクオギナってニュース全体ゼンタイ理解リカイするため、各自カクジが聞きながら @聞きながら各自メモを取るAグループを作りメモを元に話し合い聞いた内容を復元する。 スキャニングの意味              
ったメモをり、再度サイドいて学習者ガクシュウシャとニュースを再構築サイコウチクする活動カツドウ 選択肢2 スキャニングとは、たくさんの情報から必要な情報を探して取り込むこと。    
大意といえば、スキミングです。 スキャニングでは、読む聞く前から、知りたい情報が具体的で限定されています。    
2 メディアによる災害サイガイツタカタチガいをるため、各自カクジ別々ベツベツのニュースをいて 選択肢3 知りたい情報だけ読み取るので速読できます。          
内容ナイヨウ退位タイイツタえあい、報道内容ホウドウナイヨウ目的モクテキ比較ヒカクする活動カツドウ 概要といえば、スキミングです。                  
選択肢4 読解でのスキャニングの例            
3 母国ボコクにSNSを使ツカって母語ボゴ自身ジシン状況ジョウキョウ発信ハッシンするため、日本ニホンのニュースの概要ガイヨウ 「道路情報」や「交通機関の運行情報」という知りたいことが聞く前からわかっており、 ・イスラム教徒が原材料のラベルを見て豚肉が入っていないか探す。【知りたい情報は豚肉】  
活動カツドウ 「道路情報」や「交通機関の運行情報」に集中して聞いているので、スキャニングです。 聴解でのスキャニングの例            
よって、答えは4 ・避難する手段を判断するため、ニュースから道路情報や交通機関の運行情報などを聞き取る活動
4 避難ヒナンする手段シュダン判断ハンダンするため、ニュースから道路ドウロ情報ジョウホウ交通機関コウツウキカン運行情報ウンコウジョウホウなど                  
活動カツドウ スキミングの意味              
スキミングとは、細かいことにこだわらず、ざっくり読んだり聞いたりすること。    
大意概要、素早く、ざっとなどのキーワードがきたらスキミングです。    
スキミングでは、全体をおおまかに理解します。ざっと読むので速読できます。    
  トイ5 近年キンネン地域チイキ日本語ニホンゴ教室キョウシツでは、「対話中心タイワチュウシン活動カツドウ」がオコナわれている、   選択肢1                  
    「対話中心の活動カツドウ」のレイとして適当テキトウなものをエラ   不正解フセイカイ 後半の「学習者と会話を行うことに時間を割き、実践力を高める活動」 スキミングの活動例              
というのは対話中心の活動といえそうです。 ・地方都市の過疎化に関する新聞記事に目を通し、大意を把握する      
1 学習者ガクシュウシャ自宅ジタク必要ヒツヨウ文型ブンケイ単語タンゴ予習ヨシュウしていることを前提ゼンテイとして、 ですが「学習者が自宅で必要な文型や単語を予習していることを前提」とする必要はありません。 スキミングのスキルを使って読む例            
教室キョウシツでは学習者ガクシュウシャ会話カイワオコナうことに時間ジカン実践力ジッセンリョクタカめる活動カツドウ これは反転授業のことです。 ・テーマに関する文章を読み、文章全体の大まかな意味を理解する      
反転授業じゃない対話中心の活動をすることは可能です。例えば、 日常でのスキミングの例            
2 教室キョウシツにゲストとして外部ガイブから母語話者ボゴワシャマネき、学習者ガクシュウシャのインタビュー活動カツドウ すでに知っている単語や文型を使えば、予習なしで対話中心の活動ができます。 ・今日のニュースを知るため、新聞をざっと読む。        
協力キョウリョクしてもらい、学習者ガクシュウシャ習得シュウトクした言語知識ゲンゴチシキ活用カツヨウする機会キカイアタえる活動カツドウ 間違い。 聴解でのスキミングの例            
選択肢2 ・メディアによる災害の伝え方の違いを知るため、        
3 学習者ガクシュウシャ支援者シエンシャ対等タイトウ関係カンケイで、日本語ニホンゴコミュニケーションをすることで 「習得した言語知識を活用する機会を与える」という考え方が  各自が別々のニュースを聞いて内容の大意を伝え合い、報道内容と目的を比較する活動  
相互理解ソウゴリカイフカめながら日本語ニホンゴける活動カツドウ 対話中心とは言えません。言語知識を習得することを目的に考えていますね。 ・母国にSNSを使って母語で地震の状況を発信するため、日本のニュースの概要を聞き取る活動  
「対話」は習得した言語知識をお披露目する場面に過ぎない感じがします。                  
4 学習者ガクシュウシャにまずロールプレイをオコナわせ、うまくえなかった表現ヒョウゲン トップダウン処理で有名なのがスキミングとスキャニングです。      
フィードバックすすることで定着テイチャクハカ活動カツドウ どうして、地域の日本語教室で「対話中心の活動」をするのでしょうか?
地域での日常的なコミュニケーションができるようになるためです。
インタビューをする日常? 普通の人ではありません。
インタビューは日常的な対話ではありません。 対話中心の活動                
インタビューをたくさん練習しても、 『地域日本語教室における「対話中心の活動」の意義と効果に関する研究』にはこのように書かれています。  
日常的なコミュニケーションができるようにはならないでしょう。  文型を中心とした機能主義的な「学校型」の活動が行われてきたが,近年では,      
間違い。 外国人参加者と日本人参加者が同じ地域に暮らす住民として学びあい,人間関係を築く中で日本語コミュニケーション力を
選択肢3 身につけようとするような活動が見られるようになってきた。このような「対話中心の活動」    
「対等な関係で日本語のコミュニケーション」 (以下,「対話活動」も同義とする)は徐々に広がりを見せ,そのためのボランティア養成講座が実施されたり,
まさしく対話中心です。 活動集が出版されたりしている。              
正しい。
選択肢4
選択肢4でやっているのはロールプレイとそのフィードバックです。
これを「対話」と言えるでしょうか?
間違い。
よって、答えは3