日本語教育能力検定試験V問題 3 ハッ ハナシ 【はま先生解説センセイカイセツ
  トイ1 発話ハツワ意味イミは、発話ハツワ構成コウセイするそれぞれのの【(ア)】意味イミだけでなく、 各選択肢の意味を考えます。
    それが発話ハツワされた場面バメン発話ハツワ参加者サンカシャっている背景的ハイケイテキ知識チシキによってまる。 選択肢1「表出的な」
    【(ア)】にハイ適当テキトウなものをエラ       正解セイカイ 感情とか心とか普段見えないものが表に出るのが表出的(問3の選択肢4も参考になる)
選択肢2「辞書的な」
1 表出的ヒョウシュツテキ 辞書に書かれているような基本的な意味が辞書的
2 辞書的ジショテキ 選択肢3「伝達的な」
3 伝達的なデンタ 取り次いで伝えることが伝達
4 類推的ルイスイテキ 選択肢4「類推的な」
似ている点から推測するのが類推
選択肢1
「発話の意味は、【感情とか心とか普段見えないものが表に出る】意味だけではなく、場面や背景知識によって決まる」
変です。
選択肢2
「発話の意味は、【辞書に書かれているような】意味だけではなく、場面や背景知識によって決まる」
正しいです。
選択肢3
「発話の意味は【取り次いで伝える】意味だけではなく、場面や背景知識によって決まる」
変です。
選択肢4
「発話の意味は【 似ている点から推測する 】意味だけではなく、場面や背景知識によって決まる」
変です。
よって、答えは2
  トイ2 発話ハツワはある特定トクテイ状況ジョウキョウにおいて命題的メイダイテキ意味イミとはベツ発話ハツワチカラ発揮ハッキする   「つまり」があるので意味が同じ
    コトがある。この説明セツメイとして適当テキトウなものをエラ     正解セイカイ 「発話された場面や発話参加者が持っている背景的知識によって決まる」= 問2 オースティンによる発話の分類
 「ある特定の状況においては命題的意味とは別の発話の力を発揮する」
1 ミズは100沸騰フットウする」と事実ジジツべる 間接発話行為とは、意図を直接言わず間接的に言うことです。  下線部Bは間接発話行為のことです。
2 「このホシをメラリスとぼう」と命名メイメイする  直接発話行為なら「エアコンを消して」ですが  間接発話行為とは、相手に何らかの意図を伝える際に、直接的な言い方を避け、
3 ココロからおびします」と相手アイテ謝罪シャザイする  間接発話行為なら「ちょっと寒くない?」です。 間接的な言い方によって意図を伝えようとする発話行為のことです。
4 ノドカワいたなぁ」と相手アイテツタえる。  直接発話行為なら「お金くれない?」ですが 例えば、小銭を借りるために「小銭貸して」というのではなく、「小銭ある?」と言い方を変えるなどがそうです。
 間接発話行為なら「最近、お金に困っているんだよね」です。 あるかないかを確認しているのではなく、貸してほしいという意味になってます。
選択肢1「水は100度で沸騰する」と事実を述べる。  1 叙述的発話
この事実を述べても間接的に伝わる意図はありません。
選択肢2「この星をメラリスと呼ぼう」と命名する  2 遂行的発話(宣言センゲン命名型メイメイガタ
命名しても間接的に伝わる意図はありません。
選択肢3「心からお詫びします」と相手に謝罪する  3 遂行的発話(心理シンリ表出型ヒョウシュツガタ
お詫びの気持ちを直接的に伝えています。
選択肢4「喉が渇いたなあ」と相手に伝える。  4 間接発話行為 (暗意は”飲み物が飲みたい”)
直接的な意味は「喉が渇いた」ですが、それを相手に伝えることで、
間接的に「何か飲まない?」という意図を伝えています。
よって、答えは4
  トイ3 遂行動詞スイコウドウシ」にカンして分類ブンルイ動詞ドウシわせとして適当テキトウなものをエラ 不正解フセイカイ  断言型(assertives) … 断言する、答える 毎日マイニチのんびり
 行為拘束型(commissives) … 約束する、保証する
宣告センコク命名メイメイガタ declaratives 断言ダンゲンする  行為指導型(directives) … 命令する、禁止キンシする
 宣告命名型(declarations) … 通知する、命名する
行為コウイ拘束型コウソクガタ commissives メイずる  心理表出型(expressives) … 感謝する、謝罪する
行為コウイ指導型シドウガタ directives 約束ヤクソクする  1 「断言する」は断言型です。
 2 「命ずる」は行為指導型です。
心理シンリ表出型ヒョウシュツガタ expressives 感謝カンシャする  3 「約束する」は行為拘束型です。
 4 正しい
 したがって答えは4です。
  トイ4 日本語教育ニホンゴキョウイクには、異文化イブンカコミュニケーションや比較文化ヒカクブンカ知識チシキモトめられる。 選択肢1
    比較文化ヒカクブンカ知識チシキカンする記述キジュツ適当テキトウなものをエラ   不正解フセイカイ 漢字文化圏とは、今漢字を使っているか、過去に漢字を使っていた国のこと。
ベトナムは漢字を完全に廃止、韓国は制限していますが、元々漢字を使っていた漢字圏です。
1 中国チュウゴク日本ニホン漢字カンジ文化圏ブンカケンであるが、韓国カンコクやベトナムは漢字文化圏カンジブンカケンである 韓国やベトナムも漢字文化圏です。
2 日本語ニホンゴは「なる」ガタ言語ゲンゴ英語エイゴは「する」ガタ言語ゲンゴであるとわれる。
3 日本語ニホンゴは「ツミ文化ブンカ」、西洋セイヨウは「ハジ文化ブンカ」として類型化ルイケイカされている。 選択肢2
4 タテ社会シャカイ個人コジンの「資格シカク」の認識ニンシキ、ヨコ社会シャカイ集団シュウダンの「」の認識ニンシキツヨい。 結婚を伝えるとき、何といいますか?
「結婚することになりました」
なりました?
自分で決めたんじゃないの?
自分で決めたのに「なりました」って他人事だなあ。
「しました」にすべきでは? と思いませんか?
「結婚することにしました」 どうですか?
「結婚することになりました」 こっちですか?
このように日本語では「なる」を使いがちです。
一方の英語。
「なる」に当たる言葉ってどんなとき使いますか?
あまり思い浮かびません。
英語は「する」言語
誰がするか、誰がしたか、明確に言います。
正しいです。
選択肢4
タテ社会は集団の「場」の認識が強く、ヨコ社会は個人の「資格」の認識が強い。
例えば、私はA日本語学校で非常勤として働いている日本語教師です。
A日本語学校の非常勤が「場」です。
日本語教師が「資格」です。
中根千枝は『タテ社会の人間関係』の中で
「日本人の集団意識は非常に場におかれており、インドでは反対に資格(カースト)に置かれている」
等と述べています。
タテの関係の例は「親子」「上司と部下」「先輩と後輩」「師匠と弟子」「年上と年下」
ヨコの関係の例は「兄弟」「同僚」「同じカーストの人」
日本社会は、タテの関係を重視します。
日本は「家」や「会社」といった場を大事にしますよね。戸籍だったり終身雇用制だったりも、
「家」や「会社」といった場の共有に基づくものではないでしょうか。
  トイ5 学習者ガクシュウシャがコミュニケーションにおいて不利益フリエキコウムらないように指導シドウをすることが 問5の解き方【コミュニケーションで不利益を被らないような指導】
    必要ヒツヨウである。指導上シドウジョウ留意点リュウイテンとして不適当フテキトウなものを1つエラ   正解セイカイ 選択肢を見ながら具体的に考えます。
選択肢1
1 相手アイテ熟知ジュクチしている情報ジョウホウツタえるトキ終助詞シュウジョシ「よ」を使ツカ 相手が知らない情報を伝える時は終助詞「よ」を使います。
2 相手アイテ共有キョウユウしている情報ジョウホウツタえるトキ終助詞シュウジョシ「ね」を使ツカ 「今から図書館行きます」「え、今日は休みですよ」
3 目上メウエ相手アイテロウをねぎらうトキは「ご苦労様クロウサマ」をける。 選択肢2
4 目上メウエ相手アイテ願望ガンボウくときは「〜たいですか」をける 相手と共有している情報を伝える時は終助詞「ね」を使います。
「今日は暑いですね」「そうですね」
選択肢3
昔は目上の相手の労をねぎらうときにも「ご苦労様」と言っていたようですが
今では目上の人に対する「ご苦労様」には違和感を覚える人も多いので、
避けた方がいいです。
選択肢4
「先生、私たち今日パーティするんですが、先生も来たいですか?」
明らかに変ですね。
目上の相手に願望を聞く時は「〜たいですか」を避けるべきです。
よって、答えは1