試験T 問題6 |
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日本語教育能力検定試験T問題6 |
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コミュニケーション重視の授業とは |
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(1) 「談話能力を高める指導」の例として適当なものを選べ |
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【はま先生解説】 |
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正解 |
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1 |
表現や体の動きなどの非言語行動を意識させる |
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問1 談話能力を高める指導の例 |
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2 |
会話の相手や会話の場面に合った表現を考えさせる。 |
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談話能力とは、どのように会話を始めて、どのように会話を進めて、どのように会話を終わらせるかという能力。 |
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3 |
学習者自信に自分の発言の不自然な点を見つけさせる |
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談話能力は、日本語教育能力検定試験の大好物ですから確実に理解しましょう。 |
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4 |
いろんな相づちやそのタイミングに気づかせる。 |
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社会言語能力などの言葉も出てきています。 |
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談話能力、社会言語能力といえば、カナルの伝達能力(コミュニケーション能力)ですね。 |
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伝達能力の4分類です。 |
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文法能力 |
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正しい語を使ったり、正しい発音をしたり、正しい表記をしたりする能力 |
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社会言語能力 |
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その場に応じた適切な表現を使う能力。例えば、客に対して敬語を用いたり。 |
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ストラテジー能力(方略能力) |
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コミュニケーションを円滑に行うための能力。例えば、言葉が思い浮かばないときにジェスチャーで表現したり、 |
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相手の言葉がよくわからないときに表情を見て言いたいことを判断したり。 |
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談話能力 |
会話を構成する能力。会話を始めるときに「あのう」というフィラーを使ったり、 |
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相手に言ったことに対して適切な相槌をしたり、「では、そろそろ」など適切な表現で会話を終わらせたり。 |
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談話能力とは、どのように会話を始めて、どのように会話を進めて、どのように会話を終わらせるかという能力。 |
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選択肢1 |
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表現や体の動きなど非言語行動を意識して、コミュニケーションを円滑にしようとする能力は、ストラテジー能力です。 |
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選択肢2 |
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会話の相手(知らない人か友だちか)や会話の場面(フォーマルな場面かプライベートな場面か)に合わせた表現を考える能力は、社会言語能力です。 |
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選択肢3 |
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発音を正確にしようとする能力は、文法能力です。 |
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選択肢4 |
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会話の中で、いろいろな相づちやそのタイミングに気づく能力は、談話能力です。 |
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よって、答えは4 |
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(2)コミュニケーション・ストラテジーの例として適当なものを選べ |
正解 |
コミュニケーション・ストラテジーの例 |
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1 |
会話の中で新たに学んだ表現を忘れないようにメモする。 |
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コミュニケーション・ストラテジーとは、相手に言いたいことを伝えるため、あるいは相手の言いたいことを理解するための工夫です。 |
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2 |
言いたいことが目標言語で言えないときに、母語を直訳していう。 |
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コミュニケーション・ストラテジーの例として不適当なものを選ぶ問題は、平成28年度日本語教育能力検定試験T問題4問4で出題されています。 |
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3 |
母語話者に自分の発音を訂正されたら、その表現を繰り返す。 |
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ストラテジー(工夫)といえば、他に学習ストラテジーがあります。 |
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4 |
新しく習った表現を実際の会話の場面で積極的に使う。 |
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学習ストラテジー(言語学習ストラテジー)とは、勉強するための工夫です。 |
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選択肢1 |
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会話の中で新たに学んだ表現を忘れないようにメモをすることは、勉強のためなので学習ストラテジーです。 |
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選択肢2 |
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言いたいことが目標言語で言えない時に、母語を直訳して言うのは、 |
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相手に言いたいことを伝えるための工夫なので、コミュニケーション・ストラテジーです。 |
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選択肢3 |
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訂正された表現を繰り返すのは、コミュニケーションではなく、勉強のためなので学習ストラテジーです。 |
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選択肢4 |
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新しく習った表現を実際の会話の場面で積極的に使うことは、認知ストラテジーです。 |
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よって、答えは2 |
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(3)書く活動においてもコミュニケーション能力の養成を意識した活動が求められる。 |
コミュ力養成を意識した書く活動 |
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この活動の例として、不適当なものを選べ。 |
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正解 |
コミュニケーションとは、気持ちや意見などを相手に伝えること。 |
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1 |
旅先で見聞きしたことを友達に手紙で知らせる。 |
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つまり相手が必要。 |
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2 |
取引先からの連絡内容を上司にメールで伝える |
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相手がいるかどうかという視点から各選択肢を見ていきましょう。 |
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3 |
学食のアンケートでメニューについて意見を書く |
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4 |
ある物語を別の登場人物の視点で再構築して書く。 |
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選択肢1 |
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友人とコミュニケーションしてますね。 |
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選択肢2 |
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上司とコミュニケーションしてますね。 |
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選択肢3 |
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学食を考える人とコミュニケーションしてますね。 |
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選択肢4 |
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相手がいません。自己満足の妄想の世界です。 |
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よって、答えは4 |
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(4)近年はプロフィシェンシーの育成を目標にした教育実践もある。 |
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問4 プロフィシェンシーとは? |
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プロフィシェンシーの説明として適当なものを選べ |
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正解 |
プロフィシェンシーといえば、プロフィシェンシーテスト、つまり熟達度テストが思い出されますね。 |
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1 |
自分で問題を発見し、主体的に解決する能力 |
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能力がどのぐらいかを見るテストのことです。 |
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2 |
ある対象を把握する際に別の対象を手掛かりにする能力 |
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3 |
場面や状況に合わせ適切に言語を使う能力 |
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日本語教育においてプロフィシェンシーとは、日常生活の具体的な場面で、何かをお願いしたり、断ったりなどの課題を遂行する能力のこと。 |
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4 |
目標言語の文法体系を直感的に把握する能力 |
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よって、答えは3 |
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(5)誤用論的転移の例として適当なものを選べ |
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不正解 |
語用論的転移とは、母語の社会文化的にはOKだけど、学習言語の社会文化的には誤りのもの。文法的には正しい。 |
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1 |
先生に予定を伝えるメールの中で「今年就職ができないとすると、国に帰る |
プラグマティック・トランスファー |
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つもりです」と書く。 |
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2 |
思いがけない贈り物をくれた人へのお礼状の中で「プレゼントをもらって驚愕 |
選択肢1 |
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しました」と書く。 |
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文法的に正しくありません。 |
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3 |
目上の人に誘われたときに「その日は約束があるからいきません」と言う |
「できないとすると」を「できなければ」などに変えるべきです。 |
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4 |
友達に気持ちを伝える時に「はっきりと、honestlyにいうね」という。 |
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選択肢2 |
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プレゼントをもらったときに「驚愕しました」をチョイスしたのが誤り。 |
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母国の社会文化的影響は関係なく、単に選んだ言葉が不適切であると。 |
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選択肢3 |
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これは社会文化的な誤りですね。学習者の母国であれば、目上の人に対してもはっきり断っても問題ないのでしょう。 |
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選択肢4 |
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これは「正直に」という日本語が出てこなかったので「honesely」を使ったということで。 |
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コミュニケーション・ストラテジーの母語使用です。赤本P386 |
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よって、答えは3 |
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