試験シケンT 問題モンダイ5
日本語教育能力検定試験T問題5 語彙ゴイオシカタ
  (1) 「初級ショキュウ学習者ガクシュウシャタイして新出語シンシュツゴ導入ドウニュウするサイ」の留意点リュウイテンとして適当テキトウ   【はま先生センセイ解説カイセツ
      ものをエラ         正解セイカイ
1 学習ガクシュウ負担フタン軽減ケイゲンできるよう、汎用性ハンヨウセイがある高頻度コウヒンドエラんで導入ドウニュウする。
2 ハヤオボえられるよう、定型テイケイ表現ヒョウゲンまり文句モンクなどは、一語イチゴずつ分解ブンカイして導入ドウニュウする。
3 長期チョウキ記憶キオクノコせるよう、文脈ブンミャク使用シヨウされる場面バメンからハナして導入ドウニュウする。 選択肢1
4 効率的コウリツテキオボえられるよう、カタチ意味イミ類似ルイジセイのあるものをセットにして導入ドウニュウする。 初級者にはあまり使う機会がない言葉よりも、汎用性があってよく使える語のほうがいい。そのとおりです。〇
選択肢2
定型表現や決まり文句などは、分解せず、そのまま覚える方が速く覚えられる
文型を分解して説明せず、表現としてそのまま覚えてください、と言います。
選択肢3
文脈や使用する場面と合わせたほうが、覚えてやすくて長期記憶にのこる
選択肢4
中級以降であれば、形や意味に類似性のあるものをセットにして勉強することがあります。
まだ学習言語に関する知識に乏しく、慣れていない初級者に対して、
形に類似性のあるものをセットにすると、混同してしまうおそれもあります。
  (2)初級学習者ショキュウガクシュウシャ語彙ゴイのタスクをアタえる場合バアイ方法ホウホウによっては目的モクテキ達成タッセイできない。
    目的モクテキ方法ホウホウ一致イッチしていないタスクを1つエラ     正解セイカイ
1 記憶キオクノコりやすくするために、学習ガクシュウするシメして自分ジブン体験談タイケンダンかせる。 選択肢1
2 学習ガクシュウしたをりかいしているかどうか確認カクニンするために、短文タンブンのリピートをさせる。 これは問1の選択肢3の逆バージョンですね。
3 どうような文脈ブンミャク使ツカわれるかマナばせるために、学習ガクシュウするフクブン一部イチブアタ 長期記憶に残りやすくするためには、他の何かと結び付けるといいので、自分の体験談を書かせるのもいい方法です。〇
分全体ブンゼンタイ完成カンセイさせる。
4 学習ガクシュウする母語ボゴ対応後タイオウゴとの意味イミ用法ヨウホウチガいにづかせるために、学習ガクシュウシャ 選択肢2
母語ボゴブン日本語ニホンゴ翻訳ホンヤクさせる。 短文のリピートは、理解していなくても、暗記していればできるので、学習した語を理解しているかどうかの確認には不適切です。×
選択肢3
たとえば、「ほうがいいです」の意味を知っていますか? と学生に聞くと、
「はい、知っています」と答えるので、じゃあ、文を作ってくださいと言うと、
A:お腹がすきました。
B:コンビニでおにぎりを買った方がいいですよ。
というような文(会話)を作ってくれます。
ちょっと違和感がありますね。
「ほうがいいです」=アドバイス
だいたいの学生はこのように覚えているので、何かをすすめるときはすぐ
「ほうがいいです」を使う学生が多いです。
しかし、上のような文脈では「ほうがいいです」は使いません。
A:熱が39℃あるんです。
B:じゃあ、病院に行った方がいいですよ。
「ほうがいいです」はこのように、
それをしないと(すると)あなたにわるいことがある。というような文脈で使います。
このように、文の一部を与え、文全体を完成させるタスクは、
その文型や言葉がどのような文脈で使われるかを学ぶことができます。〇
選択肢4
「もったいない」という日本語を英語に翻訳しようとして何といえばいいか悩みました。
このように、学習者の母語の文を日本語にほんやくさせることで、学習する語と母語の対応語との意味や用法の違いに気づくことができます。〇
よって、答えは2
  (3)「階層的カイソウテキ関係カンケイ」にあるわせとして適当テキトウなものをエラ 正解セイカイ 問3 「階層的関係」にある語の組み合わせ
1 販売ハンバイする」と「購入コウニュウする」
2 賛成サンセイ」と「同意ドウイ 選択肢1 「販売する」と「購入する」
3 動物ドウブツ」と「トリ 「販売する」と「購入する」、
4 スギ」と「マツ 「貸す」と「借りる」のように、
意義が対になっている言葉を対義語といいます。
選択肢2 「賛成」と「同意」
「あなたに賛成します」「あなたに同意します」
このような言葉を類義語といいます。
選択肢3 「動物」と「鳥」
「動物」と「鳥」、「鳥」と「すずめ」のように、一方が他方を含んでいる関係を、
包摂関係、上下関係、階層的関係と言います。このとき、動物を上位語、鳥を下位語と言います。
選択肢4 「杉」と「松」
「杉」と「松」のように、「木」という共通の上位語を持つ単語のことを同位語といいます。
よって、答えは3
  (4)対義語タイギゴには【(ア)】ものがあるため、指導シドウにおいては注意チュウイ必要ヒツヨウである。 問4 「対義語」の指導で気をつけるべきこと
    【(ア)】にれる適当テキトウなものをエラ     正解セイカイ 対義語は平成30年度日本語教育能力検定試験T問題3Bでも出題されていますので要チェックです。
1 「ぼけ」と「つっこみ」のように、ツイになる品詞ヒンシ同一ドウイツではない。
2 タカい」にタイする「ヤスい」「ヒクい」のように、イチツイイチ対立タイリツではない。 選択肢1 「ぼけ」と「つっこみ」
3 サクラ」と「ウメ」などのように、一組ヒトクミモチいられる対語ツイゴとなっている。 対になる語の品詞が同一でない例は平成23年度日本語教育能力検定試験T問題3Bで問われています。
4 不急フキュウ」と「火急カキュウ」のように、ツイになるシュコトなっている。 平成23年度の選択肢1は「正しい」と「間違い」
「正しい」はイ形容詞
「間違い」は名詞 でした。
品詞がどうなっているかは実際に文を作ってみるとわかりやすいです。
例:オレがぼけをやるから、キミはつっこみをやってな。
この文で「ぼけ」を「つっこみ」を入れ替えても文は成立しますし、
どちらも名詞として使われていることがわかります。品詞は同一です。×
選択肢2 「高い」に対する「安い」「低い」
これは初級を教える時に気をつけなければいけないことです。
「値段が高い」の反対は「値段が安い」
ですが、 同意語ドウイゴ サクラウメ スギマツ
「背が高い」の反対は「背が低い」
一対一の対立ではないので、文脈と合わせて伝えないといけません。〇
選択肢3 「桜」と「梅」
「桜」と「梅」は「花」とか「木」とか「植物」というグループの中の一つの言葉です。
問3の選択肢4と同じ同位語です。対義語ではございません。×
選択肢4 「不急」「火急」
語種とは、語の種類。その言葉がどこからやってきたのか。
和語(日本古来)
漢語(中国古来)
外来語(欧米)
それらが混ざった混種語があります。
語種が異なるものの例は平成30年度日本語教育能力検定試験T問題3Bでも問われていました。まだの方は、確認しておいてください。
「不急(急を要しない)」と「火急(急を要する)」はどちらも漢語です。語種は異なりません。×
「不要不急の外出は控えましょう」というフレーズが頭から離れない今日このごろ。
よって、答えは2
  (5)付随的フズイテキ学習ガクシュウ補完ホカンうことで記憶キオク補強ホキョウされることもある。   意図的学習とは、意図がある学習、つまり、これを覚えようと思って学習すること。
    意図的イトテキ学習ガクシュウ付随的フズイテキ学習ガクシュウによって補完ホカンされたレイとして適当テキトウなものをエラ 正解セイカイ 例)今日は「食」という漢字を学校で習った。
1 漫画マンガんでった何度ナンドコエして練習レンシュウした。
2 新聞シンブンんでいるときにつけた未知ミチめて調シラべた 付随的学習とは、何かに付随する学習。つまり学習自体は意図的ではなく、覚えようとしてないんだけど覚えること。
3 アニメのせりふの意味イミがわかったので、単語帳タンゴチョウ記入キニュウした 例)好きな洋楽を毎日聞いていたら英語の歌詞を全部覚えた。
4 漢字カンジクラスでナラった車内シャナイ広告コウコクにし、理解リカイできた。
選択肢1
漫画を読んで知った語は付随的学習
何度も声に出して練習は意図的学習
付随的学習が意図的学習によって補完された例です。
選択肢2
新聞を読んで未知語を見つけるのは付随的学習
見つけた未知語を書き留めて調べるのは意図的学習
付随的学習が意図的学習によって補完された例です。
選択肢3
アニメを見てせりふがわかるようになるのは付随的学習
単語帳に記入するのは意図的学習
付随的学習が意図的学習によって補完された例です。
選択肢4
漢字クラスで習った語は意図的学習
それを車内広告で目にして理解できたのは付随的学習
意図的学習→付随的学習
意図的学習が付随的学習によって補完されています。
よって、答えは4