試験T 問題4 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
日本語教育能力検定試験T問題4 |
|
教授法 |
|
|
|
(1) 19世紀のヨーロッパでは文法訳読法が主流であった。 |
|
|
【はま先生の解説】 |
|
|
|
「文法訳読法」の前提となっている考え方で適当なものを選べ |
結果:正解 |
|
|
1 |
文型は易しいものから難しいものへと段階的に学ばせることで習得が進む |
問1 「文法訳読法」の前提となっている考え方とは? |
|
|
2 |
練習問題を解くより、楽しく多く読むほうが早く言葉が身に付く。 |
|
文法訳読法とは、単語や文法規則を暗記し、学習言語を母語に訳して読めるようにする方法 |
|
|
3 |
母語に置き換えられるようになることが、外国語学習の成功を意味する |
|
読解力の養成が目的で、音声面の能力が身につかないことが欠点。 |
|
|
4 |
単語や文法規則の暗記により、口頭コミュニケーション能力が向上する |
|
教授法の歴史の一番最初にでてくる. |
|
|
|
選択肢1 |
|
|
これは自然習得順序仮説に基づいた教授法ですね。 |
|
|
習得順序というキーワードは令和元年度日本語教育能力検定試験T問題10問2選択肢2でも出ていますから要チェックです。 |
|
|
構造シラバスなどは自然習得順序仮説に基づいて作られています。『みんなの日本語』が有名です。 |
|
|
構造シラバスとは、文型を易しいものから難しいものへと段階的に学ばせるためのシラバス。 |
|
|
|
クラッシェンは、第二言語習得に関する5つの仮説を立てました。 |
|
|
自然習得順序仮説とは? |
|
|
自然習得順序仮説とは、文型の習得には普遍的な順序があり、易しいものから難しいものへと段階的に習得していくという仮説。言語の習得には自然な順序があり、その順序を変えることはできないとする仮説。 |
|
|
選択肢2 |
|
|
これは多読の考え方ですね。 |
|
|
簡単なものからたくさん読んでいこう! |
|
|
|
選択肢3 |
|
|
母語に訳すことが目的なので、母語に置き換えられるようになることが外国語学習の成功を意味します。 |
|
|
|
選択肢4 |
|
|
文法訳読法は、単語や文法規則の暗記により、読解力が向上します。反面、口頭コミュニケーション能力が向上しないのが欠点です。 |
|
|
|
(2)直説法で、文法は帰納的に教えた。 |
|
|
|
|
帰納的! |
|
|
|
文法の教え方として最も適当なものを選べ。 |
|
|
結果:正解 |
これは平成30年度日本語教育能力検定試験T問題6問1でも問われていますね。 |
|
|
1 |
多くの目標言語の実例に接してから、そこに現れた文法規則を発見させる。 |
覚えていない方は平成30年度の解説も要チェックです。 |
|
|
2 |
媒介語で文法規則を説明してから、その文法を使ってロールプレイをさせる。 |
帰納的と対になる概念として演繹的というものがありますので、セットで確認しましょう。 |
|
|
3 |
目標言語で文法規則を提示し、そこから文型の使い方を確認させる。 |
|
|
4 |
媒介語で書かれた説明書で文法法則を予習させ、クラスでは反復練習を行う |
帰納的な教え方とは、たくさんの具体例から規則を発見してもらう教え方。 |
|
|
帰納的:具体例→規則 |
|
|
|
演繹的な教え方とは、規則を理解させてから、その規則を使って具体的な練習をする教え方。 |
|
|
演繹的:規則→具体例 |
|
|
|
帰納的アプローチと演繹的アプローチの違い |
|
|
帰納的アプローチでは、具体例をいくつか提示して、そこから一般的に言えることを探します。学生にルールを見つけてもらうので、 |
|
|
教師がルールを提示するのに比べると非効率です。 |
|
|
|
演繹的アプローチでは、まず文法などのルールを教えて、次にそのルールの具体例を提示して、最後に練習をします。 |
|
|
演繹的アプローチでは、まずルールの説明から入るので、原理的な文法説明を好むタイプの学習者はこちらが好きですね。 |
|
|
ドイツ系の学生に多い気がします。 |
|
|
|
選択肢1 |
|
|
多くの実例→規則なので、帰納的です。 |
|
|
|
選択肢2 |
|
|
規則→具体的なロールプレイなので、演繹的です。 |
|
|
|
選択肢3 |
|
|
規則→具体的な使い方の確認なので、演繹的です。 |
|
|
|
選択肢4 |
|
|
規則→具体的な練習なので、演繹的です。 |
|
|
|
(3)1970年題以降、様々な教授法が提唱された。その代表格が、コミュニカティブ・ |
「コミュニカティブ・アプローチ」とは? |
|
|
|
アプローチである。 |
|
|
|
|
結果:正解 |
コミュニカティブ・アプローチとは、意味を重視(フォーカス・オン・ミーニング)したやり方です。 |
|
|
「コミュニカティブ・アプローチ」の記述として適当なものを選べ |
|
形式を重視(フォーカス・オン・フォームズ)していたオーディオリンガルメソッドへの批判から生まれました。 |
|
|
1 |
言語形式や構造より文脈における言語の機能や意味を重視する。 |
|
形が多少間違っていても伝わることのほうが大事、コミュニケーションを大切にしようぜという考え方。 |
|
|
2 |
やり取りの流暢さより母語話者並みの正確な発音を重視する。 |
|
|
3 |
母語の使用を禁止し、目標言語のみで練習する方が効果的と考える。 |
|
選択肢1 |
|
|
4 |
自己訂正させるより、教師が間違いを訂正するほうが効率的と考える。 |
|
言語形式や構造より文脈における言語の機能や意味を重視するのがコミュニカティブ・アプローチです。 |
|
|
一方、オーディオ・リンガル・メソッドでは、言語形式や構造を重視します。 |
|
|
|
選択肢2 |
|
|
やり取りの流暢さ、つまりコミュニケーションを重視するのがコミュニカティブ・アプローチです。 |
|
|
一方、オーディオ・リンガル・メソッドでは、形式にこだわるので、母語話者並みの正確な発音を重視します。 |
|
|
|
選択肢3 |
|
|
母語の使用を禁止し、目標言語のみで練習するほうが効果的と考えるのは直接法です。 |
|
|
直接法とは、日本語を日本語で教えること。 |
|
|
英語や中国語など学習者のわかりやすい別の言語で説明したりしない。学習言語で学習言語を説明する。 |
|
|
|
選択肢4 |
|
|
コミュニカティブ・アプローチでは、実際にコミュニケーションできるようになることを重視します。 |
|
|
実際のコミュニケーションでは、教師が間違いを訂正してくれませんので、自己訂正できる力が必要ですね。 |
|
|
|
よって、答えは1 |
|
|
|
(4)「ナチュラル・アプローチ」に基づいた授業に関する記述として |
|
問4 「ナチュラル・アプローチ」とは? |
|
|
|
正しいものを選べ |
|
|
|
|
結果:正解 |
ナチュラル・アプローチは令和元年度日本語教育能力検定試験T問題6の解説動画の |
|
|
1 |
言語形式の学習によってモニターが働くよう構造シラバスを採用する。 |
|
09:46あたりで詳しく説明していますのでよかったら見てみてください。 |
|
|
2 |
教材には教科書だけでなく実生活で使う身近な素材も取り入れる |
|
|
3 |
話すことに早く慣れるよう初期段階から学習者に積極的な発話を促す。 |
|
選択肢1 |
|
|
4 |
初級より中級レベル以上の授業デザインに用いると効果的である。 |
|
構造シラバスとは、文型をやさしいものから難しいものに並べたもの。 |
|
|
ナチュラル・アプローチではないです。 |
|
|
|
選択肢2 |
|
|
「実生活で使う身近な素材」いいですねえ、ナチュラルですねえ。 |
|
|
本試験では、すぐにこの選択肢を選べる人は少なかったようです。 |
|
|
|
ですが、他の選択肢が明らかに違うので、消去法で2を選べました。 |
|
|
また、試験テクニック的にも「〜も取り入れる」という書き方は、幅広いやり方を認めているので正解に可能性が高いです。 |
|
|
|
「教科書だけではなく実生活で使う身近な素材を取り入れる」というのは、 |
|
|
学校内でのレッスンと学校外での生活を結び付ける良いやり方です。 |
|
|
ナチュラル・アプローチに限りませんが、ナチュラル・アプローチにおいても、必要な考えですね。 |
|
|
|
選択肢3 |
|
|
「積極的な発話を促す」つまり無理やり。ナチュラルではないですねえ。 |
|
|
ナチュラル・アプローチは聴解重視。 |
|
|
無理に話させるようなことはしません。 |
|
|
たくさん聞けば、そのうち自分から話すようになる。そう。幼児のようにね。それがナチュラルパワーです。 |
|
|
|
選択肢4 |
|
|
ナチュラル・アプローチは、幼児が話せるようになる過程を参考にしています。 |
|
|
つまり、まだあまり話せない初級学習者に効果的な方法です。 |
|
|
|
よって、答えは2 |
|
|
|
(5)「タスク中心の教授法」の活動例として適当なものを選べ |
|
結果:正解 |
「タスク中心の教授法」とは? アッシャー |
|
|
1 |
グループで無人島生活の必需品のリストを作成し、優先順位をつけさせる。 |
タスク中心の教授法とは、まずタスク(課題)を設定して、そのタスクを達成するために言語を勉強する方法。 |
|
|
2 |
「窓を開けてください」などの指示をだし、実際にその行動を行わせる |
|
|
3 |
教師が用意したドラマの役を割り当て、台本の読み合わせをさせる。 |
|
選択肢1 |
|
|
4 |
「ことができますか」という言語形式の練習を行った後、インタービューをさせる。 |
「グループで無人島生活の必需品のリストを作成し、優先順位をつけさせる」というタスクを設定し、 |
|
|
そのために言語を勉強するのがタスク中心の教授法です。 |
|
|
|
選択肢2 |
|
|
指示通りに動作を行わせるのはTPR(トータル・フィジカル・レスポンス)です。全身反応教授法とも。 |
|
|
|
選択肢3 |
|
|
教師が用意したドラマの役を割り当て、台本の読み合わせは、シナリオプレイの練習の1つですね。 |
|
|
なお、シナリオプレイは平成30年度日本語教育能力検定試験T問題6の問5に出てきます。 |
|
|
|
選択肢4 |
|
|
タスク中心の教授法では、「日本人にインタビューをする」というタスクがあり、そのために何が必要か、という考え方をします。 |
|
|
考え方の順序が逆です。 |
|
|
|
よって、答えは1 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|