試験シケンⅠ　問題モンダイ2
日本語教育能力検定試験Ⅰ問題２は毎年、学習者の誤用から異なる種類の誤用を選ぶ問題です。
誤用とは、誤って用いること。つまり間違い。異なる種類の間違い、仲間外れを探します。
解き方①例がどんな誤用か考える
令レイ02年ネン
　 （1）【「その辺アタり」を言イおうとして「その円エン」と発音ハツオンする】 結果ケッカ：正解セイカイ 　 【はま先生解説センセイカイセツ】
1 「後半コウハン」を言イおうとして「公安コウアン」と発音ハツオンする 「そのへん」を「そのえん」と発音
2 「改変カイヘン」を言イおうとして「開演カイエン」と発音ハツオンする 「へ」が「え」「he」が「e」ローマ字で書くと簡単です。
3 「五本ゴホン」を言イおうとして「御恩ゴオン」と発音ハツオンする 子音hが脱落しています。
4 「千円センエン」を言イおうとして「千年センネン」と発音ハツオンする 「こうはん」を「こうあん」ha→a 子音hが脱落しています。
「かいへん」を「かいえん」he→e 子音hが脱落しています。
「ごほん」を「ごおん」 ho→o 子音hが脱落しています。
「せんえん」を「せんねん」 e→ne 子音nが挿入さています。
　 （2）【会食カイショクを参加サンカしたいです。】 　 　 結果ケッカ：正解セイカイ 　 【はま先生解説センセイカイセツ】
1 新アタラしい規則キソクを従シタガってください。 「を参加したい」→「に参加したい」使う助詞の間違い 初級者は名詞と助詞をセットで覚えていることも多いです。
2 何冊ナンサツかの文献ブンケンを参考サンコウしました。 に従ってください【～に従う】 時間の名詞だったら「に」（例：８時に行きます）
3 学校ガッコウの友達トモダチを会アいました。 を参考にしました【（名詞）にする】【名詞メイシする】という誤用ゴヨウ 場所の名詞だったら「で」（例：渋谷で会いましょう）
4 地震ジシンや火事カジを備ソナえましょう。 に会いました　　【～に会う】　　　　　 というように。そうではなく、
に備えましょう　【～に備える】 動詞とセットで覚えるように伝えてあげるといいと思います。
（に行きます）（で会いましょう）
　 （3）【吉田ヨシダ先生センセイも1番バンやさしい先生センセイだと思オモいます。】 　 結果ケッカ：正解セイカイ 　 【はま先生解説センセイカイセツ】
1 バスよりも地下鉄チカテツで行イったほうが一番イチバン早ハヤいです。 「一番」は変ですね。どんな言葉で言い換えられるか考えます。
2 最近サイキン、朝アサや夕方ユウガタは一番イチバン寒サムくなってきましたね。 どうして学習者は「一番」を使ったのか？「やさしい」を強調したかったのだろう。
3 簡単カンタンな計算ケイサンを間違マチガえてしまい一番イチバン恥ハずかしいです。 では、「一番」じゃなくて「とても」とか「すごく」を使ってみてはどうだろう。
4 一番イチバン素晴スバらしいスピーチが多オオかったです。
バスよりも地下鉄で行った方が「とても」早いです×
「とても」さむくなってきましたね。〇
「とても」恥ずかしいです。〇
「とても」素晴らしいスピーチ。〇
１番は「バス」と「地下鉄」の二者を比較した結果を述べているので、「とても」を使うと変になります。
「もっと」などが適切。
吉田ヨシダ先生センセイは一番イチバンやさしい先生センセイだと思オモいます。 〇 「も」は他ホカも好スきです。
吉田ヨシダ先生センセイも一番イチバンやさしい先生センセイだと思オモいます。 × 犬イヌも、猫ネコも好スきです。だから、一番イチバンという表現ヒョウゲンは誤用ゴヨウである。
　 （4）【あの先生センセイの話ハナシはいつも本当ホントウに面白オモシロいだ。】 　 結果ケッカ：不フ正解セイカイ 【はま先生解説センセイカイセツ】 答えが複数出てくる不適切な問題だと思いますので、やらなくても大丈夫です。
1 豊ユタかの教養キョウヨウを身ミにつけたいと思オモっています。 ナ形容詞ケイヨウシ間違マチガい 「おもしろいだ」→「おもしろい」 本試験で出てきたらスキップしてください。 　 　 　
2 このパソコンは丈夫ジョウブし、画質ガシツもいいし、軽カルいです。 ナ形容詞ケイヨウシ間違マチガい 「だ」は「名詞」やナ「形容詞」につけます。
3 昨日キノウ、近チカいスーパーで安売ヤスウりをしていました。 品詞ヒンシ間違マチガい 「名詞の例： 明日は雨だ。
4 私ワタシの国クニと違チガいのはバスや地下鉄チカテツの乗ノり方カタです。 ナ形容詞ケイヨウシ間違マチガい 「ナ形容詞」の例： スマホは便利だ。
「おもしろい」のようなイ形容詞にはつけません。
例文レイブンは　イ形容詞の活用形の誤用です。
豊ユタかの教養キョウヨウを身ミにつけたいと思オモっています。 「豊か」はナ形容詞
後ろに名詞が来るとき、ナ形容詞は「～な」の形になります。
述語ジュツゴで使ツカうとき、ナ形容詞ケイヨウシは「～だ」の形カタチになります。
豊かな教養/物資ブッシは豊ユタかだ
1.は　豊かの教養　ナ形容詞の活用形の誤用です。
このパソコンは丈夫ジョウブし、画質ガシツもいいし、軽カルいです。 「丈夫」はナ形容詞
「～し～し」の文型のとき、ナ形容詞は「～だ」の形になります。
丈夫だしが正タダしい形カタチ
丈夫ジョウブなパソコン/このパソコンは丈夫ジョウブだ
丈夫だし、軽カルい。
2.は　ナ形容詞の活用形の誤用です。
昨日キノウ、近チカいスーパーで安売ヤスウりをしていました。 「近い」はイ形容詞 「遠い・違い」が名詞を修飾するときは「遠い・近い」を使う場合と「遠くの・近くの」を使う場合もあります。
後ろに名詞が来るとき、イ形容詞は「～い」の形になります。 　現在地を基準にした距離を示す場合には「遠くの・近くの」を使います。
近いスーパー：正しい　活用形は正しい。 （１）｛〇近くの／×近い｝コンビニまで買い物に行ってきた。
　例）学校に近いスーパーは学生に会いそうなので行きません。 （２）｛〇遠くの／×遠い｝方を見つめると目が休まります。
「～から遠い／近い」「～に近い」「～が遠い／近い」など、他の名詞句と助詞を伴って名詞修飾節になっているときは、「遠い・近い」を使う方が自然です。
「近い／遠い」や「多い／少ない」は普通のイ形容詞とは使い方が違います。 （３）そんなに駅から｛×遠くの／〇遠い｝家では通勤が大変だ。
連体修飾用法の例 （４）結婚式が｛×近くの／〇近い｝人は時にゆううつになる。
・安いスーパーで買いました〇・近いスーパーで買いました？
叙述用法の例
・スーパーが安いです〇・スーパーが近いです〇
「近い」や「多い」は、後ろに名詞をとりにくい（連体修飾用法では使いにくい）ということがわかります。
活用形は誤りではないけれど、そもそも「近い」という形容詞が使えないという誤り。
「近く」という名詞を使うべきです。：品詞間違ヒンシマチガい
私ワタシの国クニと違チガいのはバスや地下鉄チカテツの乗ノり方カタです。 「違い」は名詞あるいは動詞のマス形（違います）
「～のは」の文型のとき、動詞の普通形を使います。
違うのは
動詞の活用形の誤用です（マス形ではなく辞書形にすべき）
　 （5）【東京駅トウキョウエキに着ツけば、乗ノり換カえてください。】 　 結果ケッカ：正解セイカイ 　 【はま先生解説センセイカイセツ】
1 日本ニホンに帰カエれば、お土産ミヤゲを買カってきましょう。 正しい文に直してみます。
2 先生センセイにお会アいすれば、ぜひご挨拶アイサツしたい。 【東京駅に着いたら、乗り換えてください】
3 彼カレから荷物ニモツが届トドけば、すぐ知シらせてね 「たら」を使うべきなのに「ば」を使ってしまった誤用です。
4 お金カネをたくさん持モてば、買カいます。
日本に帰ったら、お土産を買ってきましょう〇
先生にお会いしたら、ぜひご挨拶したい〇
彼から荷物が届いたら、すぐ知らせてね〇
お金をたくさん持ったら、買います×
正しい文を考えます。
・お金をたくさん持っていれば、買います〇
・お金をたくさん持っていたら、買います〇
　選択肢４は「ば」でも「たら」でも大丈夫です。
　でも「持つ」じゃなくて「持っている」です。
所有している状態を表す場合は、「持つ」ではなく「持っている」を使います。
私はたくさんお金を持ちます×
私はたくさんお金を持っています〇