日本で学び、働き、生活する人たち |
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2021年11月15日 |
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日本語学習者の数:国際交流基金の発表 |
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2013年:400万人 |
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2016年:365万人 調査開始以来、世界の日本語学習者が初めて減少した。 |
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2018年:385万人:20万人ほど増加 |
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参考資料:https://www.jpf.go.jp/j/about/press/2019/dl/2019-029-02.pdf 速報値 |
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学習者の減少に関する考察: |
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「教育機関の在籍者の概算」である為、卒業した人などは含まれていない |
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インターネットなどでの独学での学習者、サイレントマジョリティは増加と推測 |
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日本語学習の動機: |
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□就職などの実利的な動機 |
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□クールジャパンと総称される、アニメやJ-Popなどのサブカルチャーへの興味 |
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□日本語そのものへの興味:が最大の学習理由となっている |
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(例)フランス語 |
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学習者の極度な減少 |
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2011年の東日本大震災 |
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1週間で24万人が日本を離れる |
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この年の訪日観光客は前年比27%減 |
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1995年の阪神・淡路大震災 |
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日本は防災に尽力をしている国ではあるけど、構造的に脆弱 |
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自然災害が日本語学習者に影響を与える。 |
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政治的要因での学習者減少 |
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1988年の入国管理局の中国からの「就学」希望者に対する |
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審査を厳しくした事が例に上がる |
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1988年11月に、「上海事件」:日本領事館周辺でのデモが暴徒化 |
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1989年には中国からの入国者は前年比半分となる。 |
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留学生と就学生 |
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独立行政法人・日本学生支援機構(JASSO:ジャッソ)の2016年発表 |
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日本で学ぶ留学生の数は20万8,000人 |
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大学・短大・専門学校など口頭教育機関では15万人 |
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日本語学校など日本語教育機関には5万6,000人ほどが勉強 |
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出身、地域別 |
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@中国 |
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Aベトナム |
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Bネパール |
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C韓国 |
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D台湾 |
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※中国・韓国・台湾は地理的歴史的に関係が深い服なので普通の事 |
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※ベトナムとネパールは、特定の国や地域に頼ると、「上海事件」などの |
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ような事態に対応できなくなるので、リスク分散として新しい地域の開発が |
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進んでいる |
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※中国からの留学生は減少傾向にある。中国が豊かになり、日本語を学ぶ |
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メリットの減少。国際語の英語圏への留学を選ぶ事が増えた。 |
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日本政府の政策: |
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留学生10万人計画:1983年に発表され、2003年には達成された |
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国際協力や文化交流、知的貢献を目指して始まった物 |
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実施前と比べて、中国、台湾や韓国からの留学生は20倍になる |
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2つの特殊な事情 |
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2段階の留意学制度 |
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アルバイトを潜る需要ニーズ |
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日本の高等教育、大学4-6年、短大2年の留学をフルに希望する外国人に対し |
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□日本語能力試験1級の合格 |
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□私費外国人留学生統一試験 |
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をクリアする必要があった。 |
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海外で日本語能力検定試験の1級合格は、難しいので、まず来日して |
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日本語学校で学んで1級を取得して、それから、目的の大学などに志願する |
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プロセスとなる。これが2段階留学制度。 |
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※2002年に海外で受験できる日本留学試験が始まったけど、状況は変わらない |
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就学生:日本語能力試験の1級を取る為に、最初の段階で日本に来る学生の事 |
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ビザ上の区分も「就学」となっていた。 |
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「大学・短大・専門学校以外の、日本語学校や、専修学校などで |
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学ぶ外国人であり、週14時間までのアルバイトが認められる者」 |
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と定義される |
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機関保証制度:日本へ留学する外国人に対しては日本人の身元保証人が必要。 |
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政府は日本語学校が「保証機関」になれるように規定を変更 |
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この変更により、就学生が増大した。 |
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日本のアルバイトの賃金と労働力の欲しかった日本産業界の |
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ニーズがマッチして、就学生制度化で関係づけられる |
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→悪質な日本語学校や機関がブローカー業務により就学生から |
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搾取を行う。授業よりアルバイト、虚偽の報告など・・ |
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→入国管理局が対抗措置を取り、「上海事件」が起こる |
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日本語教育振興協会:1989年発足。略して「日振協」 |
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日本語学校の審査・認定を行い、受け入れの促進、大学との提携、 |
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研究会の開発などの事業を展開中。 |
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留学生30万人計画:2008年に発表され、2020年の東京オリンピックまでに |
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留学生を30万人にしようとする計画。 |
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日本のグローバル化戦略の一環。日本の為に必要という観点から生み出された。 |
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□入国審査が簡素化された |
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□原則的に英語だけで、学位が取れる大学のコースが開設されたりしている |
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アジア人財資金構想:日本企業が日本で学んだ外国人留学生を多数雇用する事 |
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で、日本企業が国際競争力をより強化することを目標とする。 |
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高度人材:日本語や日本事情に詳しく、母語・母文化を背負った留学生の事 |
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日本企業は優遇しようとしていた。 |
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外国人の労働査証 |
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入国許可証=査証:ビザ |
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特定査証:日本国籍を持つ人と結婚。又はその子供に発行される査証 |
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日本での就労は可能 |
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観光目的の短期滞在ビザ:韓国、アメリカ、オーストラリアなど67ヵ国の地域の人は |
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観光目的の短期滞在の場合、ビザは不要。働くことはできない。 |
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ワーキングホリデービザ:16ヵ国で認められているビザで、労働は可能 |
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長期滞在ビザ:新しい高度専門職ビザと従来からある就業ビザ、一般ビザがある |
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高度専門ビザ:2012年に導入。学術・経営管理などの分野で、日本の成長に |
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役立つと期待される外国人に発行される査証。 |
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「高度人材に対するポイント制度」:博士号30ポイント、実務経験7年以上 |
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15ポイント、年収1,000円以上40ポイントなど、可算によってビザ発給が決まる |
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就業ビザ:法律・医療・経営管理など細かく分けられている |
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一般ビザ:「留学ビザ」就学生/留学生の別は201年に無くなり、留学ビザに一本化。 |
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労働は可能だけど、週28時間:1日4時間の制限がある。 |
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一般ビザ:「研修」:研修生とは、「仕事の勉強」をしに来る外国人。 |
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地方自治体など、公的な事業主が行う研修に参加。給与が支払われる場合は |
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研修手当という形式になる |
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一般ビザ:「技能実習生」:2010年に整備され、研修生は非就労者とされるが、 |
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こちらは、労働者という性格が色濃く出ている。 |
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実習期間は3年 |
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□同一作業の反復のみによって習得できるものでは無い業をする |
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□技能レベルを評価する仕組みがある仕事をする |
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に分けられている。 |
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※政府が単純労働者の受け入れに舵を切った事を意味するわけでは無い |
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と言明している。 |
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EPAをめぐって |
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EIA(経済統合協定):EAPをさらに拡大した協定。概念だけでまだ、他国とこの協定を手結した国は無い |
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FTA(自由貿易協定):物やサービスに関する国際的な行き来を制限の少ない物にしようという動き |
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1963年バナナの輸入の自由化 |
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1971年グレープフルーツの輸入の自由化により、価格が大幅に下がる |
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EPA(経済連携協定):FTAの拡大版で、物やサービスだけでなく、人やお金の行き来についても |
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制限を緩和しようという動き |
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2002年にシンガポールと提携 |
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2008年にインドネシア、フィリピンと提携 |
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2009年にベトナムと提携 |
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TPP締結までに16の協定を結ぶ |
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□人材不足に悩む日本に、看護・介護の人材を豊富に持つ、インドネシア/フィリピン |
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ベトナムが送り出しを要求してきた。2025年には30%が高齢者の日本。 |
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縦割り行政で、実際は受け入れがうまく行かない |
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経済協定:外務省/経済産業省 |
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看護・介護:厚生労働省 |
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ビザ発給:法務省 |
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本国での資格は日本では役に立たない。 |
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ケアーワーカーの場合: |
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来日して一定の期間日本にとどまり、助手的・ヘルパー的な仕事をして |
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国家試験の合格を目指して学習。 |
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不合格の場合は帰国を余儀なくされる |
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問題点@:日本語運用力がゼロの実習生が、日本語運用レベルを向上させ、 |
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実務に携わり、国家試験の合格を目指すのは、異文化の壁もありとても大変。 |
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問題点A:受け入れ側の負担: |
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来日した候補者に公益社団法人の国際構成事業団があっせんを行い |
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日本語指導、生活環境整備、試験対策業務はすべて受け入れ期間が担う。 |
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※国からの補助があっても、経済的には引き合わない |
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問題点B:国家試験に合格をしても、日本に残らないケースもある |
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個々の事情で帰国すると決めた場合、法的に引き留めることはできない |
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日本の看護師:業務独占資格 |
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資格を持たないものがその業務をしたら罰せられる専門職 |
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来日する候補者は意識が高く、英語圏でも市場があり、一定の敬意が払われる |
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日本語運用力が十分でないという理由で受け入れないと、日本の根幹が揺らぐ。 |
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c.f 介護福祉士は資格を持つ者だけが、その名称を名乗れるが、資格が |
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無い者でも、その仕事が出来る「名称独占資格」である |
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難民・帰国者・日系人・花嫁 |
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インドシナ難民問題 |
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1975年ベトナム・ラオス・カンボジアの3国が社会主義体制に移行 |
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ボートで脱出した「ボートピープル」は大きく報道された |
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ミャンマー(元ビルマ)も社会主義体制に移行。民族紛争となる。 |
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アメリカは80万人以上の難民の受け入れ |
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オーストラリアは15万人以上の受け入れ |
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日本でも1万人以上の難民を受け入れる |
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兵庫県姫路 |
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神奈川県大和の定住促進センター |
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長崎県大村のレセプションセンター |
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東京品川の国際救援センター:1983年に創設 |
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※いずれも今現在は閉鎖され、別組織はNPOに引き継がれている |
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定住希望者への職業訓練と並んで日本語教育も行われた |
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AJALT(国際日本語普及協会)の教員が担当した。 |
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労働に関する文化の相違から長続きしない |
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中国残留日本人 |
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1972年日本は中国と国交正常化を結ぶ |
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中国残留日本人:国交がなかった間に、日本に帰れなかった人 |
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その肉親、子供などが、国交正常化した後に、来日して、肉親を捜す。 |
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そして、日本への定住を希望する人が現れる。 |
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1984年埼玉県所沢、中国帰国者定住促進センターを設立 |
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現在は、中国帰国者・交流センターの日本語学習支援事業に引き継がれている |
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※年齢別クラス編成のバリエーションを最も多くそろえている機関 |
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独自開発の教材も多く、遠隔地教育も実施している。 |
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日本の難民受け入れの実情 |
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2015年度では7586人の難民申請に対して、認定は27人と実質ゼロに近い結果 |
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難民条約加盟以降の日本の受け入れは600人程度になっている。 |
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入管法:出入国管理および難民認定法:に基づいて行われている。 |
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1990年に「定住者」という在留資格を創設した。 |
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定住者の資格: |
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日系人やその配偶者 |
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定住者の実子 |
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日本人や定住者の配偶者の実子(連れ子) |
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日本人や永住者・定住者の6歳未満の養子 |
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※定住者であると認められると、特別な事情があれば、5年以内、 |
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日本に居住することが認められ、就労の制限も無い |
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南米の日系人の来日 |
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1980年代に経済の悪化に伴い、ブラジルでは国民が流出していた |
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ペルーでも同様の事態が生じ、日本の定住ビザ制度が渡りに船となる |
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2015年にブラジル国籍を持つ外国人が17万3千人で4位 |
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ペルー国籍を持つ外国人が4万7千人で9位になる大勢力となる |
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※現在日本にいる外国人の1割以上がブラジル人とペルー人となっている。 |
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ブローカーを通して日本に来て、80%以上が単純労働に従事している。 |
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外国人集住都市 |
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静岡県浜松市 |
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群馬県太田市 |
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文化的コミュニティーがある |
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群馬県大泉町ではブラジル人が人口の15%を占めて、サンバカーニバルも開催 |
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外国人集住都市会議: |
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多文化共生社会の実現を目指して、都市が共同して問題を共有して、 |
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解決策などを探る。 |
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非ネイティブの日本語教師の活躍 |
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ブラジル人の日本語教師がブラジル人学習者に日本語を教える |
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日本語ネイティブでは気が付かない事も教えることが出来る。 |
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散在地域:地域にわずかな外国人しかいない地域 |
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外国人の孤立などの独自の問題がある |
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農村花嫁:東日本の女性の人口流出が著しく、結婚相手の女性が不足 |
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「家を絶やさない」という事が重視されるため、ブローカーが |
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外国籍の女性を農村男性と結婚させるビジネスを立てる。 |
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農村の国際化:かなりの年月が経過して、子供が成人をしている。 |
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児童・生徒の文化間移動 |
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来日する外国人の子供たち:自分の意志で日本に来た訳では無い。 |
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「移動する子どもたち」 |
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「外国につながる子どもたち」:自治体 |
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2015年の外国人生徒は7万6千人で、日本語指導が必要な生徒は約3万人。 |
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ユネスコの子供権利条約を批准する日本では、日本国籍を持たない子どもであっても、 |
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希望するのであれば、公立学校の仕組みを使って対応しようとしている。 |
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「遊び言葉」と「学び言葉」の両方を習得する事が望まれて、大変。 |
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文部科学省の対応 |
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@教員への研修 |
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国際理解教育の担当教員との合同協議会 |
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日本語指導の特別な研修 |
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Aカリキュラムと教材の開発 |
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小・中学校向けに学校教育におけるJSLカリキュラムが開発されている |
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具体的な指導案が豊富で、全国レベルで共有されているのが高く評価される。 |
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B調査研究 |
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集住都市では加配教員と呼ばれる、正規の教員以外の教員が配置される |
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散在地域では、外国籍の生徒を一つの学校に集めて指導する場合がある。 |
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取り出し指導:日本語が全くできない生徒が、通常学級で学ぶ前に日本語の指導を受ける |
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入り込み指導:クラスに入っても授業が聞き取れるようになるまで、 |
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教員や指導員、ボランティアが通訳や説明をしたりする |
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