テンス ルとタ 2021年11月27日
2021年12月16日
日本語ニホンゴのテンス(時制ジセイ):「発話ハツワ時点ジテンである『イマ』を基準キジュンにした前後ゼンゴコト  
中国語チュウゴクゴインドネシアなどにはテンス(時制ジセイ)がい。
昨日キノウシメけて、動詞ドウシには変化ヘンカがない。
ケイ 述語ジュツゴ辞書形ジショケイはルケイばれて「現在ゲンザイ」や「未来ミライ」をアラワ
きる」「る」の「る」に由来ユライしただけで、
1グループ動詞ドウシく」「む」の辞書形ジショケイ
形容詞ケイヨウシアツい」ナ形容詞ケイヨウシシズかだ」の辞書形ジショケイ
なども含めてル形となる。
ケイ 「〜た」でオワ述語ジュツゴはタケイばれて、過去カコアラワす。
んだ」のように「〜た」でなくてもタケイフクまれる。
  形式ケイシキ ケイ現在ゲンザイ/未来ミライ ケイ過去形カコケイ
動詞ドウシ 普通形フツウケイ 辞書形ジショケイ  
辞書形ジショケイ  
丁寧形テイネイケイ ます マスケイ ました  
形容詞ケイヨウシ 普通形フツウケイ ウツク 辞書形ジショケイ ウツクかった  
丁寧形テイネイケイ ウツクしいです   ウツクかったです
形容詞ケイヨウシ 普通形フツウケイ オダやか 辞書形ジショケイ オダやかだった
丁寧形テイネイケイ オダやかです   オダやかでした
名詞メイシ 普通形フツウケイ ども   どもだった
丁寧形テイネイケイ どもです   どもでした
ケイ辞書形ジショケイ辞書ジショっている活用カツヨウカタチべる/る/カエる/
 「食べます」や「行きます」は単語の終わりが「ます」なので、ます形と呼ばれる
 「食べる」や「行く」は辞書に載っている形と同じであることから辞書形と呼ばれる。
ケイは「未来ミライ」と「現在ゲンザイ」をアラワす。          
ケイ動的ドウテキ動詞ドウシ基本キホンテキに、「未来ミライ」をアラワす。
 ※現在ゲンザイ状況ジョウキョウアラワ場合バアイは、「〜ている」ケイにしなければならない。
@ 未来ミライ アラ。:未来ミライ動作ドウサ アラう=辞書形ジショケイ=ルケイ
現在ゲンザイ アラている。:「ウゴきの進行シンコウのている」:動作ドウサによる現在ゲンザイ状態ジョウタイ
A 未来ミライ ソラ。:未来ミライ変化ヘンカ れる=辞書形ジショケイ=ルケイ
現在ゲンザイ ソラている。:「ウゴきの進行シンコウのている」:変化ヘンカによる現在ゲンザイ状態ジョウタイ
ケイ状態動詞ジョウタイドウシは、「現在ゲンザイ」の状態ジョウタイアラワす。
「いる」「ある」「コトなる」
B 現在ゲンザイ ワタシイエにはオオきなサクラある ある=辞書形ジショケイ=ルケイ
現在ゲンザイ存在ソンザイ状態ジョウタイ
C 現在ゲンザイ 彼女カノジョとは意見イケンコトなる コトなる=辞書形ジショケイ=ルケイ
現在ゲンザイ相違ソウイ状態ジョウタイ
□ルケイのイ形容詞述語ケイヨウシジュツゴは、「現在ゲンザイ」の状態ジョウタイアラワ
故郷コキョウナツかし ナツかしい=辞書形ジショケイ=ルケイ
□ルケイのナ形容詞述語ケイヨウシジュツゴは、「現在ゲンザイ」の状態ジョウタイアラワ
駅前エキマエニギやかだ。 ニギやかだ=辞書形ジショケイ=ルケイ
□ルケイ名詞メイシ述語ジュツゴは、「現在ゲンザイ」の状態ジョウタイアラワ
ワタシきな動物ドウブツネコ ネコだ=名詞メイシ+だ:ルケイ
※コピュラ:
ウゴきをアラワ動詞ドウシのルケイは「未来ミライ」の事態ジタイアラワ
 状態ジョウタイセイ述語ジュツゴのルケイは「現在ゲンザイ」をアラワ
非過去ヒカコ過去カコの2種類シュルイ分類ブンルイされる
過去カコ-現在ゲンザイ-未来ミライではない。動詞ドウシ活用カツヨウとしてシメ対立タイリツは2つだけ。
動作動詞ドウサドウシ 過去カコべた 過去カコ ワタシはパンをべた」 判定詞ハンテイシ(コピュラ)】:「です」は学校ガッコウ文法ブンポウでは助動詞ジョドウシアツカい、日本語ニホンゴ教育キョウイクでは文型ブンケイ一部イチブとしてアツカ
現在ゲンザイべる 非過去ヒカコ ワタシはパンをべる」 あるとそのウシろのムスぶための補助的ホジョテキとして別建ベツダてとする。
今現在イマゲンザイべている 非過去ヒカコ イマ、パンをべている」 「です」・「」・「である」・「ようだ」・「そうだ」「らしい」
日常ニチジョウ習慣シュウカンべる 非過去ヒカコ ワタシ毎日マイニチ、パンをべる」 「AはBです」:be動詞ドウシ意味合イミアいもカサなる
未来ミライべる 非過去ヒカコ 明日アシタはパンをべる予定ヨテイだ」 (例)レイワタシ学生ガクセイです (例)レイカレ学生ガクセイようだ
(例)レイワタシ学生ガクセイ (例)レイカレ学生ガクセイそうだ
状態動詞ジョウタイドウシ 彼女カノジョイマ年長ネンチョウさんが、来年ライネンはもう小学生ショウガクセイ (例)レイワタシ学生ガクセイである (例)レイカレ学生ガクセイらしい
 ※「ナニナニだ」のコピュラ:現在ゲンザイ来年ライネンオナカタチ
ル形の「超時制的」用法:ル形の恒常的な表現       P86
辞書形ジショケイ=ルケイ基本的キホンテキには未来ミライコトシメすが、時制ジセイカカわりなく、事物ジブツ性格セイカク心理シンリ
あるいは指示シジなどをシメ場合バアイがある。
過去カコ現在ゲンザイ未来ミライという時間ジカンワクにとらわれない表現ヒョウゲン
一般的イッパンテキ事実ジジツ 日本人ニホンジンコメべる。     べる=辞書形ジショケイ=ルケイ
動物ドウブツ生態セイタイ コビトカバは沼地ヌマチむ。   む=辞書形ジショケイ=ルケイ
料理リョウリ指示シジ 煮立ったら弱火にして塩を少々加える。 クワえる=辞書形ジショケイ=ルケイ
カエ ワタシ毎日マイニチ散歩サンポする。     散歩サンポすす=辞書形ジショケイ=ルケイ
真理シンリ 太陽タイヨウヒガシからノボる。     ノボる=辞書形ジショケイ=ルケイ
地球チキュウ太陽タイヨウマワりをマワる。   マワる=辞書形ジショケイ=ルケイ
規則キソク クルマでの通学ツウガク禁止キンシする。   禁止キンシする=辞書形ジショケイ=ルケイ
ことわざ クチほどにものをう。   う=辞書形ジショケイ=ルケイ
現在ゲンザイ状態ジョウタイと、恒常的コウジョウテキ表現ヒョウゲンは、チガので注意チュウイ必要ヒツヨウ
ケイの「完了カンリョウ」の表現ヒョウゲン            
現在完了ゲンザイカンリョウアラワす「た」の表現ヒョウゲン
もう(すでに)映画エイガましたか。 まだていません
現在完了ゲンザイカンリョウケイ 否定ヒテイ現在完了形ゲンザイカンリョウケイ:ているケイ
昨日キノウ映画エイガましたか。 いえ、ませんでした
過去カコケイ 否定ヒテイ:タケイ
現在ゲンザイ完了カンリョウ」は過去カコ事態ジタイ現在ゲンザイ関連カンレンしていることをシメす。
もう(すでに)宿題シュクダイをやった。 現在完了ゲンザイカンリョウ
:過去に宿題を終えて、その状態が今も続いていることを表す。
昨日キノウ宿題シュクダイをやった。 過去カコ
:過去の出来事を表す。
現在完了ゲンザイカンリョウのタケイオオくは、アスペクト表現ヒョウゲンの「ている」や「したところだ」にいかえが可能カノウ
田中タナカさんはもう 田中タナカさんはもうている
トモだちはちょうど、イマカエ トモだちはちょうどイマカエたところだ。
もう宿題シュクダイをやっ 宿題シュクダイをしたところだ。
テンス・アスペクトとはコトなる「タケイ       赤本アカホンP87
@命令メイレイの「た」
さあ、今日キョウのサンマ、ヤスいよ!
事態ジタイスデ実現ジツゲンしたとして、相手アイテウナガすとき。
A発見ハッケンの「た」
あっ、あっ、こんなところに、財布サイフがあっ
サガしていたものを発見ハッケンしたトキ
B確認カクニンの「た」
あなたは山梨ヤマナシ出身シュッシンだったんですか。
らなかった事実ジジツいたとき。
C想起ソウキの「た」
そうだ、今日キョウえるごみのだった
ワスれていたことをオモしたトキ
★このようなタケイハナ認識ニンシキフカ関係カンケイにあるので、「モダリティのタ」とばれる。
絶対ゼッタイテンスと相対ソウタイテンス         赤本アカホンP88
絶対ゼッタイテンスでは、発話時ハツワジ基準キジュンとしてタケイとルケイ決定ケッテイされる。
事態ジタイがそれよりマエか、同時ドウジか、アトかで判断ハンダンをする。
ヒトつの事態ジタイヒトつの述語ジュツゴアラワ単文タンブン場合バアイ絶対ゼッタイテンスになる。
花子ハナコ 大阪オオサカ った。 発話時ハツワジよりマエ:タケイ
花子ハナコ 大阪オオサカ いる。 発話時ハツワジ同時ドウジ:ルケイ
花子ハナコ 大阪オオサカ く。 発話時ハツワジよりアト:ルケイ
相対ソウタイテンスは、複数フクスウ事態ジタイ複数フクスウ述語ジュツゴアラワ複文フクブンで、
従属節ジュウゾクセツ述語ジュツゴテンスが相対ソウタイテンスとなる。
トキ判断ハンダンする基準キジュン発話時ハツワジでなく、主節シュセツ事態ジタイトキになることを意味イミする。
絶対ゼッタイテンス:英語エイゴではツネに「イマ、この瞬間シュンカン基準キジュンまる」
Before I watched TV, I wore my glasses.
ボクはテレビをマエ眼鏡メガネをかけ
テレビをマエ発話時ハツワジより過去カコ
眼鏡メガネをかけた:発話時ハツワジより過去カコ
どちらも発話時ハツワジより過去カココトなので、過去形カコケイにする必要ヒツヨウがある
眼鏡メガネをかける  → テレビをる    → 発話時ハツワジ
発話時ハツワジより過去カコ 発話時ハツワジより過去カコ 時制ジセイ基準キジュン
相対ソウタイテンス:主節シュセツトキわせて、従属節ジュウゾクセツ時制ジセイまるコト
【1】 ◇Before I watched TV, I wore my glasses.
 テレビをマエ眼鏡メガネをかけ
過去カコ
眼鏡メガネをかけた 主節:時制の基準キジュン:タケイ:発話時からすると過去
テレビをマエ 従属節ジュウゾクセツ:時制の基準より未来ミライ:ルケイ
眼鏡メガネけたトキからするとテレビをたのは未来ミライ
発話時ハツワジ
【2】 ◇While I was watching TV,I wore my glasses.
 テレビをているトキに、眼鏡メガネ
過去カコ
眼鏡メガネをかけた 主節:時制の基準キジュン:タケイ:発話時からすると過去
同時ドウジ
テレビをているトキ 従属節ジュウゾクセツ:時制の基準と同時ドウジ:「進行相シンコウソウのている」
発話時ハツワジ
※ テレビを見てい時に、眼鏡を掛けた。
:絶対テンス:容認はされるが普通フツウ相対ソウタイテンスを使ツカ
【3】 ◇After I watched TV, I wore my glasses.
 テレビをアトで、眼鏡メガネ
過去カコ
テレビをアト 従属節ジュウゾクセツ:時制の基準より過去カコ:タケイ
眼鏡メガネけたトキからすると、テレビをたのは過去カコ
眼鏡メガネをかけた 主節:時制の基準キジュン:タケイ発話時ハツワジからすると過去カコ
発話時ハツワジ
テレビを マエ 眼鏡メガネ
ている トキ
アト
従属節ジュウゾクセツ 主節シュセツ
※日本語教育では、述語の辞書形はル形と呼ばれ「現在・未来」を表します。
 これに対して「〜た」で終わる述語はタ形と呼ばれ「過去」を表します。
ケイ用法ヨウホウ
ケイ @トキアラワ場合バアイテンス:過去カコアラワ
Aウゴきや出来事デキゴト局面キョクメンアラワす:アスペクト
Bハナ判断ハンダンシメす:ムード
カカわってくる。
「あぁ・・やっとバスが
発見ハッケンの「た」とばれる
 「た」の用法ヨウホウ過去カコシメすだけではいと理解リカイする必要ヒツヨウがある。
  日本語の「タ」は助動詞であり、過去形という活用形はない。
  はま先生的センセイテキテンスの説明セツメイ          
テンスとは?
テンスとは、時間の前後関係を表す文法カテゴリーです。
「私は昨日初めて猫カフェに行っ。猫はかわいかっ。また明日も行
上の文の太字がテンスです。
現在なのか過去なのか未来なのかはテンスが教えてくれます。
テンスは、時制ともいいます。
相対テンスと絶対テンスの違いがわかるようになる問題
下の4つの例を見てください。
日本にいるタイ人留学生が主人公です。
例1)先月、タイに帰る時、『白い恋人』をたくさん買った。
例2)先月、タイに帰った時、『白い恋人』を国の友達にあげた。
例3)来月、タイに帰る時は、日本のウイスキーをたくさん買いたい。
例4)来月、タイに帰った時に、日本のウイスキーを国の友達と飲みたい。
この4つの例の『帰る時』と『帰った時』の使い分けを理解するのが、初級の学習者にとってはかなり難しいのです。
相対テンスの意味
相対テンスとは、行為の時期が他の述語の後か前かで相対的にテンスが決まること。
複文の場合、従属節は基本的に相対テンスです。主節の後か前かで相対的にテンスが決まります。
主節を基準に考えます。
  相対テンスの例【主節の後はル形】           質問1「例1はどうして過去なのに「帰る時」ですか?」      
例1)先月、タイに帰時、『白い恋人』をたくさん買った。 例1)先月、タイに帰る時、『白い恋人』をたくさん買った。
私なら以下のように説明します。
相対テンス(従属節): 先月、タイに帰る時
絶対テンス(主節): 『白い恋人』をたくさん買った 例1にはいくつのアクション(行為)がありますか?
「タイに帰る」と「『白い恋人』をたくさん買った」の2つです。
『白い恋人』をたくさん買った(主節)の後に、タイに帰っています(従属節)。 「タイに帰る」と「『白い恋人』をたくさん買った」の順番は?
主節の後(未来)なので、ル形を使います。
「『白い恋人』をたくさん買った」 → 「タイに帰る」
  相対テンスの例【主節の前はタ形】          
例2)先月、タイに帰っ時、『白い恋人』を国の友達にあげた。 ですね?
「『白い恋人』をたくさん買った」の時、まだタイには帰っていません。
相対テンス(従属節):先月、タイに帰った時 これから帰ります。未来です。だからル形を使います。
絶対テンス(主節): 『白い恋人』を国の友達にあげた
『白い恋人』を国の友だちにあげる(主節)前に、タイに帰っています(従属節)。 質問2「例4はどうして未来なのに「帰った時」ですか?」      
主節の前(過去)なので、タ形を使います。 例4)来月、タイに帰った時に、日本のウイスキーを国の友達と飲みたい。
絶対テンスの意味 例4にはいくつのアクション(行為)がありますか?
絶対テンスとは、他の述語と関係なく絶対的にテンスが決まること。 「タイに帰った」と「 日本のウイスキーを国の友達と飲む 」の2つです。
発話時を基準に考えます。単文や主節は絶対テンスです。
「タイに帰る」と 「 日本のウイスキーを国の友達と飲む 」 の順番は?
  絶対テンスの例【発話時の後はル形】         「タイに帰る」→ 「 日本のウイスキーを国の友だちと飲む」
例3)来月、タイに帰時は、日本のウイスキーをたくさん買いた
「 日本のウイスキーを国の友だちと飲む」 のとき、もうタイには帰っています。
相対テンス(従属節):来月、タイに帰る時 もう帰りました。過去です。だからタ形を使います。
絶対テンス(主節):日本のウイスキーをたくさん買いたい。
発話時はまだ日本のウイスキーを買っていません。
「 日本のウイスキーをたくさん買いたい」のは、
発話時の後(未来)なので、ル形を使います。
なお、便宜上ル形と呼んでいますが、「買いたい」のような「〜したい」は
イ形容詞と活用が同じなので、イ形になります。
  絶対テンスの例【発話時の前はタ形】        
例1) 先月、タイに帰る時、『白い恋人』をたくさん買った。
相対テンス(従属節): 先月、タイに帰る時
絶対テンス(主節): 『白い恋人』をたくさん買った
発話時すでに『白い恋人』をたくさん買っています。
「『白い恋人』をたくさん買った」のは、発話時の前(過去)なので、タ形を使います。