日本語史 |
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2021年11月22日 |
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日本語の変化:文学作品の一般区分 |
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上代:奈良時代まで |
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中古:平安時代 |
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中世:鎌倉〜安土桃山時代 |
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近世:江戸時代 |
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近代:明治から戦前 |
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上代(奈良時代まで):中国から文字を輸入したのが最大の特養 |
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万葉仮名:漢字の音だけを借りて日本語の音を書き表していた |
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「ふ」→「布」 |
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橋本進吉:国語学者が、上代仮名、上代特殊仮名遣いを提唱。 |
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上代特殊仮名遣い:音韻の違いによって使う感じを用いている |
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上代の日本語には80以上の音節があったと考えられている。 |
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奈良時代には「きゃ」という音は無い |
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撥音の「ん」も中国からはいった音で、文字として使われるのは |
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中世(鎌倉〜安土桃山)以降 |
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「はなのちるらん」と発音はするけど、「花の散るらむ」と表記する |
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中古(平安時代):ハ行転呼という顕著な変化があった。 |
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ハ行の音がワ行に変化した物。 |
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平安前期 |
ファ |
フィ |
フェ |
フォ |
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平安後期 |
ワ |
ウィ |
ウェ |
ウォ |
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表記 |
ワ |
ゐ |
ゑ |
を |
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表記変化 |
ワ |
い |
え |
お |
ゐゑをが・・消える |
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復活 |
ファ |
フィ |
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ファミリー/フィルムなど外来語を取り入れた結果復活 |
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変化の例 |
顔 |
カフォ→カウォ |
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川 |
カハ→かわ |
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恋 |
コヒ→こい |
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現代 |
は |
へ |
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平安前期 |
ファ |
フェ |
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平安後期 |
ワ |
ウェ |
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変化の例 |
わたしは→わたしわと発音 |
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「わたしは」と書いて、「わたしわ」と読むのは八行転呼の為と説明が可能 |
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漢字仮名交じり文が成立した。 |
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漢文を訓読する方式の中で、返り点などで工夫して、カタカナで補助表記しつつ |
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読んでいた。傍若無人:「かたわらに、ひと、なきが、ごとし」 |
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ぼうじゃくぶじん:人前をはばからず、勝手に振る舞うさま |
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万葉仮名からひらがなで書かれるようになり、漢語の名詞はそのまま使った |
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ので、ひらがなと漢文を混ぜた分が掛かれるようになった。 |
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現代の日本語標準表記法:漢字仮名交じり文 で確定した。 |
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土佐日記:ひらがなのみの文 |
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中世(鎌倉〜安土桃山時代)T:「係り結び」の消失 |
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係り結び:一種の呼応 |
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君の努力は決して無駄に 「しない」/「ならない」。 |
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※否定の形が来る |
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□平安期に盛んであった、係り結びが鎌倉期に使われなくなった。 |
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五つの係助詞「ぞ・なむ・や・か・こそ」=取り立て助詞が文中に入ると |
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ぞ |
連体形(れんたいけい:ウ段:体言(名詞)を修飾するときの語形) |
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なむ |
連体形 |
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や |
連体形 |
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か |
連体形 |
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こそ |
巳然形(いぜんけい:エ段) |
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係助詞:強調の意味を添える |
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「木村さんこそ、社長になるべきだ」 |
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終止形 |
雨降りけり。=雨が降った。 |
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連体形 |
雨ぞ降りける。 |
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言葉の活用形は、6種類しかありません。 |
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未然形、連用形、終止形、連体形、仮定形、命令形。 |
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この6つの中にどれか必ず当てはまります。 |
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五段活用 |
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未然形は、「ない・う」が下につきます。「書かない。」「書こう」 |
あ段/お段 |
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連用形は、「ます・た」が下につきます。「書きます」「書いた」 |
い段 |
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終止形は、句点で終わる形です。「書く」 |
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う段 |
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連体形は、下に体言(名詞・代名詞)がつきます。「書くとき」 |
う段 |
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仮定形は、下に「ば」がつきます。「書けば」 |
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え段 |
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命令形は、命令する形になります。「書け」 |
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え段 |
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※已然形は文語で使われる用語であり、仮定形は現代口語で使われる用語である。 |
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中世(鎌倉〜安土桃山時代)U:音便の広がり |
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音便:連音の変化。複数の音が続くときに発音しやすい方に音が流れて、元の音から変わる。 |
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多くの話者に日本語が発音されるうちに、言いやすい形になった物 |
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ウ音便:「おはやく」→「おはよう」 |
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「狩人:かりびと」→「かりうど」 |
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イ音便:語中や語尾の「キ・ギ・シ」などがイ音に代わる |
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「書きて」→「書いて」 |
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「泳ぎて」→「泳いで」 |
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「やすし」→「やすい」 ※文語の形容詞 |
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「うまし」→「うまい」 ※文語の形容詞 |
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促音便:テ形を作る時の「い・ち・り→って」のように変化するもの |
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「言ひて」→「言って」 |
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「立ちて」→「立って」 |
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「知る」→「知った」 |
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「勝つ」→「勝った」 |
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「取る」→「取った」 |
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※促音=「っ」の小さな「つ」の事 |
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取る:ら行五段活用 |
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取らない |
ら |
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取ります |
り:「た」を付けても連用形になる |
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取る |
る |
×取りた |
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取る時 |
る |
○取った |
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取れば |
れ |
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取れ |
れ |
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撥音便:「ん」の発音の事。「み・び・に→んで」のように変化 |
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音便が成立してからも「む」で代用されて表記になるのは後の話。 |
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「読みて」→「読んで」 |
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「飛びて」→「飛んで」 |
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「髪差し:かみさし」→「かんざし」 |
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「望む」→「望んだ」 |
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「喜ぶ」→「喜んだ」 |
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「ほほえむ」→「ほほえんだ」 |
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読む:マ行五段活用 |
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読まない |
ま |
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読みます |
み:「た」を付けても連用形になる |
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読む |
む |
×読みた |
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読む時 |
む |
○読んだ |
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読めば |
め |
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読め |
め |
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近世(江戸時代):話し言葉と四つ仮名 |
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四つ仮名問題:江戸期以前はお互いに別の音だった。 |
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現代の仮名遣いでは、基本的には「じ」と「ず」に統一 |
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三日月:みかづき:元の「つ」が明らかに濁音になった場合は「づ」を使う |
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縮む:ちぢむ:同じ音を続けた場合には「ぢ」を使う |
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続く:つづく:同じ音を続けた場合には「づ」を使う |
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日本中:日本+ちゅう:日本+ぢゅう→明らかに「ち」が濁音化「日本じゅう」 |
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現代の四つ仮名は例外だらけの一貫性の無い状況となっている。 |
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近代(明治期):国民国家の成立とともに、様々な改革が進む |
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標準語:規範となる言葉の在り方。この為、地方の言葉が劣った物とみなされる |
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その話し手の、日本語はこうあるべきという理想。 |
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共通語:東京を中心に用いられている言語の使用の実態・現実の事 |
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和製漢語:「社会」「主義」「共和国」などは、中国に輸出されたりもした。 |
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言文一致の運動:書き言葉を口語の話し言葉に近づけようとした運動 |
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常体:「である」 |
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敬体:「です」 |
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言文一致運動の初期:「であります」 |
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□明治期の終わりに学校教科書で口語尾文体が採用されて一段落となる。 |
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