「は」と「が」の使い分けの5つのルール。
「は」取り立て助詞:有題文 「が」格助詞:無題文
大阪はたこ焼きがおいしい 中立叙述=中立描写文=現象文
大阪は:主題=トピック 風が冷たい/雨が降ってきた/荷物が届いた
@新情報と旧情報の原理:          
新情報には「が」、旧情報には「は」
「あの人が社長です」:新情報 はじめて知った時
「あの人は社長です」:旧情報 すでに知っている時
「が」の文では、伝えたい情報は「が」の前に来る。
「は」の文では、伝えたい情報は「は」の後に来る。
昔々、おじいさんとおばあさんがいた。
おじいさんは山へ、おばあさんは川へ行った。
月がきれいだ:新情報
今日見る目の前にある、今見ている月という意味
月はきれいだ:旧情報:既存の情報
誰でも知っている一般的な月がきれい
A現象文と判断文の原理:          
現象文には「が」、判断文には「は」
見たままの状態をそのままいう現象文の場合、「が」を使います。
(外を見て)あ、雨が降っている。
話し手の判断が加わった判断文で見たものを認識して
性質や属性についての判断を言う場合は「は」を使う
社長はよく飲みに行く。(動詞文)
あの桜はきれいだ。(形容詞文)
彼は社長だ。(名詞文)
形容詞文や名詞文は、そのもの(人)の性質や属性を表すことが多いので、以下のように
言えます。文の性質のルール=形容詞文と名詞文は基本的に「は」を使う。
B文と節の原理:            
文末まで掛かるときは「は」、節の中は「が」
「従属節・名詞修飾節の中では「が」を使う」。「〜たら、〜と、〜ので、〜なら」のような
従属節の中と、名詞修飾節(連体修飾)の中では「は」は使えません。
主節の主語には「は」を使う
彼がうちに来たとき(従属節)、私は出かけていた(主節)。
私が作った(名詞修飾節)料理はこれです。
私が勉強していた時、父は寝室で寝ていた。
彼が作ったケーキはおいしかった。
例外:等位節の場合は従属節中でも「は」が使える
ビールは飲めますが、ウイスキーは飲めません。
C対比と排他の原理:            
対比の時は「は」、排他の時は「が」
対比とはある二つを同等に比べる表現
ひらがなは書けますが、漢字は書けません。
「ひらがな」と「漢字」を対比させて言いたいので「は」を使っています。
日本は夏だが、ブラジルは冬だ。
私は猫が好きだが、兄は犬が好きだ。
私は肉は嫌いだが、魚は好きだ。
私は肉は嫌いだ。
「他の食べ物と比べて」肉は嫌いだ。
私は肉が嫌いだ。
「他の食べ物と比べず」対象の意味は消え、単に肉が嫌いを表す。
雨は降っています。
「雨は降っているが、雪は降っていない」と他のものと対比しているニュアンスになる。
肉じゃがはできる。
「肉じゃが以外はできない」と暗示し、他のものと対比しているニュアンスになる。
排他とはある物を取り立てることによって、他の構成員を排除する。総記とも呼ばれ、
いくつかの候補の中から「まさにこれ!」と示す働き。そのため排他の意味で「が」を
使うと「ほかならぬ〜」というようなニュアンスが出ます。
彼が社長です。
「ほかならぬ誰でもなく、彼が社長だ」という排他の意味になる。
彼が留学生です
彼以外の成員、クラスメートは留学生ではないと暗示している。
果物の中で何が好きですか?
ブドウが好きです。
たくさんある果物の中でほかならぬブドウこそがという意味を持つ。
あの生徒がクラスの中で一番背が高い
他の生徒と比べてほかならぬあの生徒が、と比較の意味となる
D措定と指定の原理:            
措定文には「は」指定文には「は」か「が」
措定文:述語が主格名詞の性質を表す
指定文:主格名詞と述語名詞が同じものを表す A=B
措定文 A=Bにはならない、「は」をとる
クモ害虫です。
(✖)クモ害虫です。(✖)害虫ガイチュウクモです。
野球はスポーツです。
(✖)野球がスポーツです。 (✖)スポーツは野球ヤキュウです
私は日本人です。
(✖)私が日本人です。(✖)日本人ニホンジンワタシです。
指定文 A=Bになる 「は」もしくは「が」をとる
Tak私の名前です。(指定文)
Tak私の名前です。
東京日本の首都です。(指定文)
東京日本の首都です。
あの人院長だ。(指定文)
あの人院長だ。
※疑問詞の場所に注意
「〜は+疑問詞」
田中さん誰ですか(指定文)
「疑問詞が、〜」(指定文)
田中さんですか
*******************************
対象の「が」            
格助詞「が」には対象の働きもあります。
「好きです」、「上手です」、「わかります」、「見えます」などは対象を格助詞「が」で
表すことが決まっています。
寿司が食べたい
私は野球が好きです
彼は野球が上手です、
本質がわかります。
後姿が見えます。
ガ格:主体と対象を表す
学生が勉強をする。(主体)
体言タイゲン用言ヨウゲン              
「体言」とは、名詞のことです。物事を表す単語の種類です。概念を表し、活用がない語の
ことを指します。本体(もとになるのの)を表すので「体言」という、と考えられています。
以前は名詞と代名詞を分けていて、その二つを総称して体言といっていましたが、
今の教科書では、代名詞も名詞の一種と教えているので、「名詞=体言」で間違うことは
ありません。性質としては、助詞や助動詞が付いていろいろな成分になりますが、
特に「助詞が付いて主語になること」が、体言の特徴であると一般に言われます。
自立語で活用しないことはいうまでもありません。
ちなみに「固有名詞・数詞」などはみな名詞(体言)の一種とされています。
「用言」とは、動詞・形容詞・形容動詞の三つの品詞の総称です。
自立語で活用し、単独で述語になります。動作・作用・存在の有無・状態・様子・性質などを
表します。終止形(言い切り)がウ段音ならば動詞、「い」ならば形容詞、
「だ」ならば形容動詞、です。
連用形とはどういう意味          
動詞・形容詞・形容動詞(用言)・助動詞の四つの品詞には活用があります。
未然形、連用形、終止形、連体形、仮定形、命令形の六通りの活用です。
連用形(用言に連なる形)
1.連用修飾語になる(用言の前にくる)・・・速く(形容詞「速い」の連用形)走る(動詞)
2.助動詞「ます・たい・そうだ・た」、助詞「て・ながら・ても」などがつく・・・
食べ(動詞「食べる」の連用形)ても(助詞)
3.そのまま名詞になる・・・滑り(もとは、動詞「滑る」の連用形)がいい
4.文を中止する・・・雨が降り(動詞「降る」の連用形)、風が吹く
連体形(体言に連なる形)
1.連体修飾語になる(「とき・こと」をつけられる。体言を修飾する。・・・
きれいな(形容動詞「きれいだ」の連体形)花(名詞)
2.助動詞「ようだ」、助詞「の・ので」などがつく。・・・
天にものぼる(動詞「のぼる」の連体形)ようだ(助動詞)