社会言語学 社会方言と地域方言に分類 |
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▢若者言葉:若者が日常用いる俗語、スラングなど。非標準変種:潜在的威信 |
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社会方言 |
伝統的国学で位相語と呼ばれる。位相は菊沢季生が命名した。 |
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仲間意識を高めるための集団語である。低い変種が好まれる。 |
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方言
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江戸時代の社会階層に応じた武士言葉、廓言葉など |
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「り」(了解)「タピる」など略語を用いる。 |
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トラッドギル:「言語と社会」 |
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「超〜」「KY」流行語になったものもある。 |
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上流社会 標準変種:顕在的威信:日本なら山の手東京方言 |
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「むかtく」「めっちゃ」方言が全国に広がったケースもある |
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下流社会 非標準変種:潜在的威信:日本なら若者言葉 |
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「ドタキャン」「ナビ」などは定着化している。 |
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ラポフ:ニューヨークのデパートでの[R]の発音研究。上流では[R]がよく現れる。 |
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「ら抜き言葉」も世代を超えて定着しつつある。 |
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インフォマント:言語調査の被調査者 |
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「ぶっちゃけ」「ていうか」若者言葉の談話標識。 |
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▢ジェンダー:生物的な違いでなく、歴史的社会的側面による性の差異。 |
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体育会系の「〜っす」は代々若者に受け継がれている。 |
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会話スタイルの性差 |
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集団語:柴田武が提唱。俗語、スラング、隠語「ホシ」、術語語、専門用語 |
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男性:レポートトーク:情報収集が中心 |
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ジャーゴン:集団語の一種で、内集団にだけに通じる特殊な語 |
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女性:ラポートトーク:相手との共感、繋がりを求める |
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▢役割語:ある言葉遣いから特定の人物を想起させる特徴的な話し方。 |
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男性語:「めし」「はら」「食う」 |
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言語上のステレオタイプと言える。 |
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女性語:語彙としては少ない。イントネーション、パラ言語で表現 |
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「それがし」(武士)「わがはい」知的階級の男性 |
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「〜わ」「〜ね」など終助詞、間投助詞の使用が多い |
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「ちがうワン」(犬)「よろしくてよ」(お嬢様) |
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現代社会で言葉遣いの性差が少なくなってきている。 |
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▢幼児語:幼児期に特有の語彙や不完全な話し方。 |
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ポリティカル・ポライトネス:中立的な表現 「看護婦」「看護師」 |
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クーイング:赤ちゃんが出す「あー」「えー」などの母音長音 |
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「ビジネスマン」「ビジネスパーソン」「黒人」「南米系アメリカ人」 |
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喃語:「ダダダダダ」「パパパパ」など子音+母音を連ねた撥音 |
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女房詞:女房=宮中における女官の総称[室町時代の隠語が一般化] |
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一語文:「わたし」が「あたち」になる。 |
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「おでん」「おひや」「おこわ」「おなか」「おかず」「おみや」 |
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犬は「わんわん」車を「ブーブー」と擬声音や擬音語で表す。 |
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「しゃもじ」「ささ(酒)」「白物(塩/豆腐)」「青物(野菜)」 |
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「まんま」のように発音しやすいマ行やパ行を使う |
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ジェンダーフリー:性別的分担を無しにする。(和製英語) |
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片付けることを「ないない」のように反復して言う。 |
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男性の発音の特徴 |
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▢レジスター:言語使用域 |
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[ai]が[ee]になりやすい。「やばい」「やべえ」 |
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話し手が場合や立場によって個人の中で言い方を変えて用いる |
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[oi]が[ee]になりやすい。「すごい」「すげえ」 |
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個人の言語変種の使用域を示す。=スピーチスタイル |
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女性の発音の特徴:子音が落ちやすい |
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「傘かしていただけないでしょうか」「傘かして」 |
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撥音化:「わからない」「わかんない」 |
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表現形式から音声(パラ言語)まで異なる。 |
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促音化:「あたたかい」「あったかい」 |
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飲食店の隠語「お愛想」(お勘定)が広くお客まで使うようになること |
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音節脱落:「するところ」「するとこ」 |
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を「使用域の制限がなくなった」という。 |
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地域方言 |
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▢方言の敬語:「西高東低」西日本では敬語の種類も使用頻度も高い。 |
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柳田国男:方言学の父『蝸牛考』『遠野物語』膨大な著書がある |
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関西「〜はる」は身内にも使う、身内尊敬用法。「れる/られる」レベル。 |
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方言周圏論:文化の中心市(京都)から同心円状に伝播した結果 |
「お父さんはいてはります」 |
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発生の古い語ほど、遠隔地で見いだされるという学説 |
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無敬語地帯:北関東/東北南部 |
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東条操:方言学の母。方言区画論を提唱。方言の地理的分類。 |
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「そだなし」「そだのう」:文末表現やイントネーションで敬意を表す |
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本土方言[東部/西部/九州方言] 琉球方言[奄美/沖縄/先島方言] |
▢本土方言と琉球方言の母音体系 |
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い |
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う |
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金田一春彦:方言孤立変遷論 |
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本土方言:5母音体系[あ・い・う・え・お] |
(え) |
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(お) |
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日本の中央は規範意識が高いので音韻は変化しにくい。 |
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琉球方言:3母音体系[あ・い・う] |
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あ |
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周辺部の方が音韻は変化しやすい。 |
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元は3母音体系から[え/お]を派生させて5母音になった。 |
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中央部の連母音[ai]が古く、周辺部[æ:][ɛ:]は新しい |
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酒[sake][saki] 心[kokoro][kukuru]
「え」→「い」「う」→「お」 |
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方言分布 |
周圏分布型:文化の中心地から同心円状に分布 |
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▢方言イメージ「おいでませ山口」「めんそーれ」沖縄「寄ってたんせ」秋田 |
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「つらーかおーつら」「ででむしーマイマイーカタツムリーナメクジ」 |
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方言が観光誘致に使われる現象になった。 |
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東西分布型:東西方言境界線『糸魚川-浜名湖線』 |
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▢方言コスプレ:方言が肯定的に受け止められ、自分で演出する現象。 |
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東「ない」 |
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西「ぬ」「ん」 |
東「起きろ」 |
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関西人以外の「なんでやねん」「お引き受けしたでごわす」など |
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東「しょっぱい」 |
西「からい」 |
西「起きよ」 |
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方言のアクセサリー化:アクセサリーのように方言を着脱する |
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東「わかっている」 |
西「わかっちょる」 |
東「買った」 |
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方言のおもちゃ化:メールなどに織り交ぜ、娯楽としての価値を見出す |
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東「行かない」 |
西「行かぬ」打消し |
西「買うた」 |
▢方言コンプレックス:自分の使う方言が恥ずかしいと否定的な感覚になること。 |
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東「いる」 |
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西「おる」 |
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東「雨だ」 |
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▢方言のアクセント:N型アクセント=三型/二型/一型アクセント |
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東「マック」 |
西「マクド」 |
西「雨じゃ」 |
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京阪式アクセント 4種類:一番古い |
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交互分布型:2種類の語形が黄河に並んで分布 |
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東京より型の数が多い。語頭が高高か低低かでも区別がある |
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ベロ-舌-ベロー舌-ベロ |
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東京式アクセント 3種類:京阪式から派生した三型アクセント |
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南北対立分布型:2種類の語形が日本海側と太平洋側で二分して分布 |
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ピッチの下がり目のみで区別。京阪式を東西で挟んで分布 |
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太平洋側「しもやけ」日本海側「ゆきやけ」 |
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二型アクセント 2種類 鹿児島 |
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複雑分布型:多様な語形が全国様々な地域に複雑分布 |
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一型アクセント 1種類 宮崎 都城 |
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「めだか」 |
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全ての単語/分節において最終音節を高く発音する |
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気づかない方言:共通語と語形が同じ語彙であるため、方言と認識せず使う方言 |
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弁別機能は無いが、分節のまとまりを示す。 |
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「こわい(北海道)」「えらい(東海)」「せこい(徳島)」疲れた |
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「きが」 「あめ」「あめが」「おとこ」「おとこが」 |
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「なげる(北海道/東北)」捨てる 「なおす(関西)」片付ける |
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無アクセント 0種類:東北/九州/関東一部地域に分布 |
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「みえる(東海三県)」おられる 「書いてみえる」 |
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※新しいものほどアクセントの型が少ない。 |
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消滅の危機にある言語:ユネスコ |
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中国方言 |
音韻面で[ai][ae]が[a:]
[io][eo]が[ju:][jyo:]に変化する特徴がある |
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【深刻】アイヌ語【重大】八重山語/与那国語 |
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広島岡山 |
動詞の否定で「食べん」「行かん」のように「〜ん」が使われる |
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【危険】八畳語/奄美語/国頭語/沖縄語/宮古語 |
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山口 |
「ら抜き言葉」「れ足す言葉」は古くから常用されていた。 |
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北海道 |
「張り切る」「はっちゃきこく」「とても」が「たいした」 |
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雲伯方言 |
雲伯(うんぱく)方言に属する「出雲弁」は西のズーズー弁と呼ばれる |
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方言 |
別れ際の挨拶で「したっけ」という表現を用いる |
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島根 |
「だんだん(ありがとう)」「がっしょ(一生懸命)」 |
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東北方言 |
音韻面「い-え」「す-し」「ち-つ」「じ-ず」無区別。「しし(寿司)」 |
鳥取 |
「ひまぐらし(まぶしい)」 |
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文法面で方向/目的を表す助詞「さ」を用いる。「東京さ行く」 |
四国方言 |
音韻面で四つ仮名「じ-ぢ/ず-づ」の区別が残っている |
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在宅確認で、現在の事象でも「た」を用いる。「〜さん、いたか?」 |
香川徳島 |
文法面で一部に係り結びが残っている。 |
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関東方言 |
音韻面で母音の無声化が目立つ。くさ[kɯsa]
ます[masɯ] |
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愛媛高知 |
語尾に「〜わい」「〜んよ」「みとん(見て)」「もんた(帰った)」 |
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「ひ-し」の混同がある。「布団ひく(しく)」 |
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豊日方言 |
文法面で「おくる(起きる)」「あくる(開ける)」など動詞の |
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[ai][ae]が[e:]になる。「おめー(おまえ)」「うるせー(うるさい)」 |
大分宮崎 |
二段活用形式が残っている。宮崎弁が2007年流行語大賞 |
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東海東山 |
ギア方言(岐阜/愛知)ヤナシ方言(山梨/長野/静岡)越後方言 |
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「どけんかせんといかん(どうになしないといけない)」 |
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方言 |
中部方言とも呼ばれる。東西の堺。基本東京式アクセント |
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肥筑方言 |
文法面で助詞・助動詞の言語形式に特徴がある。 |
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文法面で推量・意志など助動詞的な言語形式に特徴がある。 |
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福岡長崎 |
「本ば読む」「赤か花の咲いた」「良かばってん」「明日雨ばい」 |
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「そうずら(そうだろ)」「きつら(来ただろう)」 |
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佐賀隈本 |
「今日晴れたい」形容詞の終止形が「良い-よか」「きれい-きれいか」 |
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「いかーず(行こう)」語尾に「ら(だよね)」「だら(だよね)」 |
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逆接に「〜ばってん」を使う |
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八丈島 |
ユネスコ分類で【危険】になっている。本土と大きく違うので |
薩偶方言 |
音韻面で語末に来る狭母音[i][ɯ]が脱落する |
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方言 |
八丈島語とも呼ばれる。本土/八丈島/琉球という3分類もある。 |
鹿児島 |
「口」「首」「来る」などを「クッ」と撥音 |
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伊豆諸島 |
形容詞の連体形が「け」になる。古代東国方言の名残形式が残る。 |
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文法面では丁寧表現として、「ごわす」「もす」「ござもす」がある |
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「あかけ花(あかい)」「かなしけこと(かなしいこと)」 |
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「いみし(ひどい)」「むぞか(可愛らしい)」 |
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北陸方言 |
音声面でうねり音調(ゆすり音調)卓立下降型の文末イントネーション。 |
奄美方言 |
ユネスコ分類で【危険】音韻面で7母音の体系を持つ。 |
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新潟 |
文末イントネーションが揺れて伸びる。 |
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動詞の終止形「書く」「かきゅん」「かりゅん」の形をとる |
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富山石川 |
「あのね」が「あのね〜〜〜」 |
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形容詞の終止形「赤い」「あかさり」「あかさん」の形をとる |
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近畿方言 |
音韻面で音声の無声化はほとんど見られない。 |
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沖縄方言 |
ユネスコ分類で【危険】に分類 |
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一拍語が長めに発音される。手「てー」目「めー」 |
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ウチナーグチ。音韻面で[e]が[i]に[o]が[ɯ]として現れる。3母音体系 |
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高高で始まる各線とがたの名詞がある |
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「あみ(雨)」「うとぅ(音)」[ame-ami][oto-ɯtɯ] |
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身内尊敬用法「はる」尊敬の助動詞 「お父さんはいてはります。」 |
先島方言 |
ユネスコ分類で【重大】八重山方言/与那国方言【危険】宮古島方言 |
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和歌山:無敬語地帯 |
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八重山 |
音韻面で[h]が[p]で発音される古代日本の発音の名残がある |
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宮古与那国 |
[ぱな(花)][ぱこ(箱)] 「宮古方言」「与那国方言」「八重山方言」 |
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新方言 |
共通語でもなく、方言が使われていた地域でも方言扱いされる言語。 |
ネオ方言 |
真田信治提唱。共通語と方言が接触をして二つの形式が混ざって |
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若者を中心に広がり、新たに方言が生まれる言語現象。 |
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生まれた新しローカルスピーチスタイル。 |
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元は方言だが、若者が共通語にない語彙を方言から取り入れて |
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関西方言 |
共通語 |
ネオ方言 |
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くだけた会話で使う現象 |
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「書かなんだ」 |
書かなかった |
「書かへんかった」 |
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井上史雄提唱:3つの性質 |
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「書かへんだ」 |
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1.標準語として認められている形と違うこと。 |
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「きーへん」 |
こない |
「こーへん」 |
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2.若い世代に向けて勢力を拡大しつつあること |
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「けーへん」 |
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3.話し手が、非標準語として扱い、改まった場面でなく普段の |
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共通語と方言の両方の性格を有する方言スタイルであるといえる。 |
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場面で使うこと。 |
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きれい方言 |
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西日本「書かなんだ」「書かざった」→「書かんかった」 |
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山形県「見んべ」→「見っぺ」 |
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多摩方言「うざい」→新方言「うざったい」→「うざい」(全国) |
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「やっぱ」「ちがかった」「みたく」「じゃん」 |
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東京「超」名古屋「でら」大阪「めっちゃ」広島「ぶち」 |
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