中間言語 |
|
誤用変遷 |
対照分析(ラドー)→誤用分析(コーダ)→中間言語(セリンカー) |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
対照言語学:構造主義言語学+行動心理学 フリーズとラドーの対照分析。 比較言語学:歴史的に言語を研究する。祖語を明らかにする。 |
|
|
|
中間言語
PDF 33 |
|
対照言語研究:第二言習得への貢献が目的 言語類型論(タイポロジー)[形態的類型:膠着語/屈折語/孤立語 統語的類型:SOV/SVO/VSO/VOS] |
|
|
|
対照分析仮説:「母語と目標言語の相違点が最も母語の干渉を受ける部分であり、学習上の困難点である」と考えた |
|
|
|
|
|
|
|
母語と目標言語の違いの大きさと学習の困難さは比例しなかった。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
第一言語と第二言語不一致のパターン 対照分析による学習困難度階層 →言語間距離を見極める |
|
|
|
|
|
|
@分裂 B新規(中国語話者にとっての日本語の助詞) B欠如 C融合 D一致(韓国語話者にとっての「は/が」) |
|
|
|
|
語用分析:コーダー |
語用の判定が難しい(エラーなのかミステイクなのか)誤用の頻度だけでは学力が図れない。(苦手文法など使わない[回避]) |
|
|
|
|
母語の異なる学習者から共通の誤用が見られた=誤用分析では対応できない。一定の学習順序があると考えられるようになる。 |
|
|
|
|
シャクターの関係節の研究:母語に関係節の無い日本語中国語話者は極力回避した結果、誤用率が低かったという実験。=回避 |
|
|
中間言語(IL):セリンカー提唱:「第二言語習得の過程で形成する独特の言語体系」「誤用は外国語を習得していく上で自然で必要な過程である」ピジンと類似 |
|
中間言語の特性 |
|
|
|
|
中間言語連続体:習得によって変化して行く全体像 |
|
|
|
|
|
体系性:誤用規則に体系性がある |
|
|
言語間エラー:第一言語と第二言語の際から生じる。 |
|
|
|
|
|
普遍性:体系性が一貫している |
|
|
正の言語転移:韓国語母語話者は「は/が」と同系の助詞があるので、「は/が」が理解可能。 |
|
|
浸透性:過剰一般化、負の転移の影響を受け変化しやすい |
負の言語転移=母語干渉:文法より語彙に起きやすい |
|
|
|
|
|
遷移性:浸透性の結果、流動的状態で、体系が改訂される。 |
中国語で「病」は「心配事」の意味があるので、日本語で「病」を心配事の意味で使う。 |
|
|
変異性:同一個人内で同じ意味の異なった言語形式が出現 |
言語内エラー:第2言語の学習不足が原因 |
|
|
|
|
|
|
学習者の誤用だけでなく、正用も研究対象としている。 |
過剰一般化:規則の過剰適応。「*薬を買いてきた」2グループテ形活用を1グループに適応。 |
|
|
学習者は「仮説を立てる」「アウトプット[検証]する」 |
簡略化:言語規則を単純化する。「東京 行きます」助詞が抜ける |
|
|
|
中間言語を形成する5つの要因 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
言語転移:母語が第二言語習得に影響を与える。「本は上の机」英語圏学習者が on
the table をそのまま訳したケース |
|
|
|
|
|
訓練場の誤用:教室指導や訓練が影響を与える。「夕食の後はいつも何をしていますか?」「(夕食の後はいつも)テレビを見ています。」:不自然な応答 |
|
|
過剰一般化:目標言語の1つの規則を、異種類の項目に適応させる。「*楽しいだった」の誤用は「休みだった」「有名だった」名詞/ナ形容詞と混同した。 |
|
|
|
「台風だから」-「*あるだから」「*難しいだから」:規則の単純化でピジンとの類似性も指摘されている。 |
|
|
|
|
|
|
「学生じゃない」-「:欲しいじゃない」「*高いじゃない」 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
学習ストラテジー:学習効率を上げる方策で、「ある」は「が」が付いて「がある」とユニットで覚えた。「*熱は38度がある」38度は連用用法の数量詞 |
|
|
コミュニケーションストラテジー:助詞の選択が難しいので回避する。「先月、私 新幹線 乗りました。」 |
|
|
|
|
|
有標性差異仮説 エックマン |
有標:第一言語に無くて第二言語にある規則 |
日本人からする、英語の名詞の複数形、不規則動詞の活用 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
有標性弁別仮説 非言語行動分類 |
無標:第一言語にも第二言語にもある規則 |
日本人からする、英語の名詞の単数形、規則動詞の活用。(日本語にある規則) |
|
現れ方別の誤用 |
|
|
|
|
段階別の誤用 |
|
|
|
|
|
|
|
@誤形成-活用/接続/形態的な誤り 「*会いてください」「会って」 |
@文法的正確さに関する誤用 文法的に正しくない発話作文 |
|
|
|
|
A脱落 「みかん置いてある」「みかんが置いてある」 |
|
|
「*面接を受けているウチに、アラームが鳴ってしまった。」接続詞の誤用 |
|
コロケーション:2つ以上の言葉の慣用的なつながり |
|
B付加「兄弟は5人がいます。」「兄弟は5人います」 |
|
|
「面接を受けているときに、アラームが鳴ってしまった。」 |
|
|
|
つまづいて、階段から・・・「落ちる」 |
|
C混同 「は」「が」/「てある」「ている」などの同種内の混同 |
A語の選択に関する誤用:不適切なコロケーション |
|
|
|
|
D位置 「気温30度がある。」「気温が30度ある。」 |
|
|
意味は通じるけど適切でない語を使う |
|
|
|
|
Eその他 |
|
|
|
|
|
|
「*ドアの鍵が割れた。」「ドアの鍵が壊れた」語の選択の誤り |
|
|
ミステイク:単なるいい間違い。自ら間違いに気づき修正できる。 |
B文章・談話における適切性に関する誤用 |
|
|
|
|
|
エラー:規則が理解できていない為に起こる。繰り返し起こる。 |
|
文法的には正しくても文脈的に適切でない |
|
|
|
|
ローカルエラー:会話に支障のないエラー「*おいしいのパン」 |
|
「今回実施した研究においては、インタビューをやった」スピーチレベルの誤用 |
|
グローバルエラー:会話に支障が出るエラー |
|
|
中国語母語話者の誤用 |
|
|
|
ベトナム母語話者 |
|
|
「友達に借りた本」と言いたいのに「友達が借りた本」になる。 |
助詞の誤用が多い。(孤立語の為助詞が無い) |
|
ダ行とラ行が混同する |
|
|
言語処理ストラテジー:工夫したことが間違っている方略 |
|
発音が総じて不安定(声調言語のため) |
|
「や」と「じゃ」の混同 |
|
@付加のストラテジー |
|
|
|
|
清音と濁音の区別が難しい |
|
|
山田(じゃまだ)/じょろしく! |
|
ある言葉や言い回しにくっつける工夫で、それが間違っている。 |
「了解」をよく使う。日本語の「理解」に対応する |
やめたい(じゃめたい) |
|
|
「それはちょっと困りますです」「厳しいな所です」 |
韓国語母語話者 |
|
|
|
|
|
|
|
国際交流基金:誤用の産出 |
|
|
「僕はもう若いじゃない」「2か月間に勉強しました」 |
「つ」「ず」が言えず、「ちゅ」「じゅ」になってしまう。(韓国語は[ts][z]の音が無い) |
|
付加のストラテジー |
|
Aユニット形成のストラテジー(固まり表現) |
|
|
「ちゅくえ」「ちゅかれた」「いちゅも」調音点の問題
[tsɯ][tɕɯ] |
|
|
|
ユニット形成のストラテジー |
|
セットにして言い回しを使う工夫で、それが間違っている。 |
発音が尻上がりになる。(韓国語の発音が尻上がり系)日本語は山型 |
|
|
|
|
「東京で住んでいます」「地域を表す名詞+「で」の工夫」 |
清音と濁音の区別が難しい |
|
|
|
|
|
|
(1)暑くてとても厳しいな所です。 |
|
|
「不思議なと思う」「いいだと思う」「短くになる」 |
英語母語話者 |
|
|
|
|
|
|
|
(2)2ヶ月間に横浜に泊まりました/トイレの上に1時間にすわりました。 |
|
化石化/定着化 |
|
|
|
|
漢字の習得が困難。電話連絡がレンワデンラクになってしまう。 |
|
|
|
(3)不思議なと思いました。 |
|
誤りが訂正されないまま固定化した状態。上級者の「*きれくない」 |
長音の区別が困難:「おばさん」と「おばあさん」の区別が難しい |
|
|
|
(4)いいだと思います。 |
|
逆行-バックスライディング:言えていたものが言えなくなる |
プラグマティック・トランスファー |
|
|
|
|
|
|
(5)日がだんだん短くになる。 |
|
「おいしかったです」と言えていたのに「*おいしいでした」と発話 |
語用論的転移:文法的には正しいが不適切な表現 |
|
|
|
|
上記の例は、学習者のストラテジーだと解釈できます。(1)は[な +
名詞句]形式で、「申し訳ございませんな気持ちがあります」や「おもしろいな場所に行きました」という発話なども同様で『付加のストラテジー』だと考えられます。 |
ミステイク:単なるいい間違い。自ら修正できる。 |
|
|
(目上の人に)「今日は約束があるから行きません。」 |
|
|
|
|
|
U字型発達 |
|
|
|
|
|
|
(目上の人に)「欲しいですか」「私に教えることができますか」 |
|
|
|
|
正しく使用できていた文法項目に、誤用が増えて、また再び |
|
中間言語の可変性:正用と誤用を繰り返しながら変化して行く現象 |
|
|
|
(2)は日時には「に」を付ける、 |
|
正しく使えるようになる。逆行、後退したように見えるが前進している |
文法発話は学習者が注意すれば正確性が上がるが、内容に集中すると正確性は下がる。 |
|
|
|
訂正フィードバック |
|
|
|
|
|
アップテイク:訂正フィードバックされた直後の学習者の発話 |
|
|
|
|
タイミング |
|
|
|
|
|
|
|
期待通りのアップテイクがあるとは限らない。 |
|
|
|
(3)〜(5)も各々「+ なと思います」「+ だと思います」「+
になる」から構築した、いわゆる『固まり表現(ユニット形成)』だということが推測できます。 |
|
正確さ重視の練習時は誤用の発生直後に行う |
|
|
|
|
学習者「10時に駅の前に合いましょう」教師「駅の前に?」 |
|
|
流暢さ重視の練習時は活動全体終了時に行う |
|
|
|
|
誤用が訂正→リペア(〇) |
学習者「駅の前で会いましょう」 |
|
6種類の訂正フィードバック |
@明示的〜E暗示的 |
|
|
|
誤用が訂正されない→ニーズリペア(×) |
|
|
|
@明示的修正 |
教師が明示的に誤用を指摘して正用を示す。 |
|
|
|
|
学習者 |
「駅の前に合いましょう。」 |
|
「買ったの本は間違いです。『の』は不要です。」 |
修復:発話の誤りを訂正。母語話者同士でもある。 |
|
|
|
「これは昨日買った本です」が正しいです:正用を示す |
指摘と修復 |
「新宿に遊ぼう!!」 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
プロンプト |
教師は正答を言わず、学習者に気づかせて修正を促す |
他者指摘/自己修復 |
「新宿にじゃないよ」「あ、新宿で」 |
|
|
A繰り返し |
誤用をそのまま上昇調イントネーションで繰り返す |
自己指摘/他者修復 |
「新宿に・・お・・」「新宿で」だよ |
|
|
「昨日買ったの本⤴」 |
|
|
|
自己指摘/自己修復 |
「新宿に・・あ・・新宿で」 |
|
|
|
B明確化要求 |
言い直しを求める |
|
|
|
他者指摘/他者修復 |
「新宿にではなくて、新宿で」だよ |
|
|
|
「もう一度言ってください」 |
|
|
その他訂正フィードバック |
|
|
|
|
|
Cメタ言語的修正 |
文法説明など誤用を示唆するコメントをして、修正を促す |
テスト返却時に、語頭に対して正しい答えを書く |
|
|
|
「昨日大学に行きます」 |
|
|
作文の添削で、誤りの部分に下線を引く |
|
|
|
|
「昨日は過去だから、『た』を使います。」 |
|
暗示的リキャストがフォーカス
オン フォームで推奨されている。 |
|
|
D誘導 |
誤用の部分の手前で止めて修正を促す |
|
|
インターアクション中のやり取りに気づかない可能性も危惧される |
|
「昨日大学に行っ・・・・」 |
|
|
|
リキャストの有用性を否定する説もある。 |
|
|
|
Eリキャスト |
会話の流れを切らずに、教師が正用で言い返す。 |
|
教師の正用による暗示的な訂正が「プライミング効果」として働く |
|
「昨日大学に行った」のですね。 |
|
|
|
という説もある。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|