オニヒトデの存在意義〜 文章 辻維周先生

オニヒトデは造礁珊瑚を主食としていると言われてきましたが、
それは間違いないように思います。しかしながら造礁珊瑚の中にも好き嫌いがあるようで、
ミドリイシ系は大好物ですが、キクメイシやノウサンゴのような塊状珊瑚には一切興味を示しません。

また非造礁珊瑚やイソギンチャクに対しても食べる気配は見られません。
これは個体によっても多少の差はあると思われますが、
おおまかな所はそれに間違い無いと思います。

また次にそれ以外のものは餌として摂取するのか否かと言う問題です。
これに関しましては、前にも述べましたように、魚の死骸、アメフラシ、コオロギなどは
かなり積極的に摂取することがわかりました。
従って仮に造礁珊瑚の無い地域においても、オニヒトデは生息してゆく
ことが可能であると思われます。 

次に生息可能水温ですが、水温10度でも死滅することなく生きておりますし、
33度でも問題はありませんでした。従いまして原則は暖海性の生物ではありますが、
寒海にも適応してゆける可能性はあると思います。また貧酸素状態にはきわめて弱く、
エアーレーションをしていない水槽内では、数日しか生存できないことも判明しました。 

また珊瑚も与えず、カルシウム濃度も低くなりがちな水槽内飼育では、
どうしても代謝によって表皮の石灰質が薄くなり勝ちですので、カルシウム・リアクター
もしくは高濃度カルシウム液を補充してやる必要があります。

自然界で彼らが造礁珊瑚を主食としている理由は、ここにあるのではないかと思われます。 
また分割した場合、ディスクを残した個体は全く問題なく生活していますが、
ディスクがないほうの個体はあまり動き回ることもせずに、水槽内の一箇所に滞留してます。
しかしながら今日で分割より1週間たちましたが、
未だに死ぬことなく細々とではありますが生き続けています。


最後に生態系の中でオニヒトデの存在意義ですが、 
1、半永久的な寿命を持つ、ミドリイシ系珊瑚のリセット。 
2、スカベンジャー(掃除屋さん)としての役割 
以上2点が確認されました。