珊瑚の一生
珊瑚とは何者だ!?

〜珊瑚の一生〜
サンゴ、サンゴ、サンゴ、珊瑚と言うけれど、
なんとまあ、奥の深い世界です。
素人ガイドには説明しきれない珊瑚の世界、珊瑚の一生を
見かねて、一人のプロが立ち上がった!
そのお方は 辻維周先生!
『日本さんご礁学会会員、東京コミュニケーション・アート専門学校講師』として
ご活躍中の珊瑚のプロからの暖かいプレゼントです。

珊瑚に興味のあるダイバーの皆さま、ぜひとも読んでみてください
初心者に判りやすく書いてあります。

GOODダイブショップガイド陣も更に珊瑚の勉強を進めて
ボホールにある、本当に綺麗な珊瑚を生態的にも
ご案内できたら良いなと思っています。

辻維周先生スタッフ一同感謝いたします。

珊瑚の一生】 文章 辻維周先生

珊瑚
とは「刺胞動物門」に分類される、毒の入ったカプセルを触手に持つ生物です。
この種族には固着性と非固着性とがあり、
固着性は珊瑚やイソギンチャク、非固着性はクラゲなどがあります。

イソギンチャクと珊瑚との違いは非常に単純で、
骨格を持つか持たないかということだけなのです。

しかし外見から判断するのは非常に難しいと言わざるを得ません。
たとえば「サンゴイソギンチャク」というイソギンチャクは、
外見はサンゴのように見えますが、
実は骨格を持たないためにイソギンチャクに分類されるのです。
イソギンチャクやクラゲのことにまで話を振ってしまうと、
収拾がつかなくなるので今回はあくまでもサンゴに絞って書くことにします。
 

 サンゴには造礁珊瑚非造礁珊瑚とがあり、
造礁珊瑚は陸地を造ることができる珊瑚、
非造礁珊瑚は陸地を造ることができない珊瑚のことです。

一般の方々のイメージとしては造礁珊瑚はハードコーラル、
非造礁珊瑚はソフトコーラルと思われているようですが、
実は違います。たとえば深海に住む宝石珊瑚のように、
ハードコーラルであっても養分が足りないために
陸地を造ることができないものもあるからです。

造礁珊瑚は内部に褐虫藻(ゾーキサンテラ)という
植物性プランクトンを共生しているため、昼間は光合成を行う植物の顔、
夜はプランクトンと捕まえる獰猛な肉食動物の顔という二面性を持っています。

そのために光が届く浅い海(一番深いところでも
40m前後)までにしか棲息できないのです。
さらに褐虫藻は、原則として平均水温が
18?30度の海にしか対応できないために、
造礁珊瑚も熱帯〜亜熱帯にしか住むことができないわけです。

 それに対して非造礁珊瑚は褐虫藻を共生しておらず、
光合成の必要がないため常に動物の顔を持っていますし、
光の届かない深い海にも棲息できると同時に、
冷たい海にも適応できる柔軟さを持っています。

 また一般に「珊瑚」は生物、「珊瑚礁」は地形を現す言葉であり、
今のところ北限の珊瑚礁は奄美大島付近と考えられています。(
20046月 日本珊瑚礁学会)

珊瑚の増え方には、大きく分けて有性生殖と無性生殖との2種類があります。
有性生殖は俗に「サンゴの産卵」と言われているものですが、
この「産卵」にも
2種類あるのです。

ほとんどのサンゴは精子と卵子とが詰まった「バンドル」というカプセルを放出し、
それが海面に集まってできたものをスリックと言います。
ちょっと見には赤潮かと見間違えてしまう人もいるようですが、
あまり珊瑚礁帯には赤潮の発生は見られません。

さて、海面に漂っているバンドルは波の動きでカプセルが割れ、
精子と卵子とが流出しほかのバンドル中の精子と卵子で受精が行われます
(同じバンドル内では決して受精は行われません)。
受精後まもなく卵割が始まり、次いでプラヌラ幼生というものになります。
この幼生になってしばらくは、水中を自由に漂うプランクトンとして生活してゆきますが、
平均
34日で自分の着底場所を探す「探索行動」という行動を始めます。

そして気に入った場所を見つけると海底に潜り、徐々に這いながら微調整を行い固着します。
ただしクサビライシサンゴの仲間は自由生活をする造礁珊瑚なので、
彼らだけは固着することはありません。
つまり普通のサンゴが水中を自由に泳ぎまわることができるのは、
受精後
7日程度であると考えられています。

固着するとすぐに体を丸くして海水中のカルシウム分を取り込み、
骨格作りを始めます。これが珊瑚としての生活の第一歩といっても差し支えないでしょう。

もう一つの増え方である無性生殖とは「クローン増殖」とも言います。
これは最初の一個体からクローンを作りながら無限に増え続けてゆくというものです。

クサビライシ系を除き造礁珊瑚の表面には小さな穴が無数に開いていますが、
その穴1個が基本となります。通常成長速度は1年で2-3センチ(条件によっては5-6センチ)といわれていますが、
いったい何個のクローンを作ってゆくのかははっきりしていません。そのようにして増殖してゆく珊瑚ですが、
寿命は半永久的といえるのです。
つまり最初の個体は死んでしまっても、他の珊瑚たちと縄張り争いを続けて
行きながらクローン増殖を続けて、周辺部へと拡大し続けてゆくのです。
つまり珊瑚には原則として寿命が無いために、
厳密には「一生」という言葉は当てはまらないかもしれません。


 

以下続く、、、


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